U―20女子W杯決勝(コロンビア・ボゴタ)が22日に行われ、2大会ぶりの優勝を目指した日本は北朝鮮に0―1と敗れ、準優勝に終わった。日本を圧倒した北朝鮮サッカーの〝実態〟に注目が集まっている。
日本は終始攻め込まれて、攻撃陣も北朝鮮の鉄壁守備にはね返された。0―1というスコア以上の完敗だった。
国際舞台で圧倒的な強さを見せた北朝鮮。秘密主義を貫く同国サッカー界の実情を特集したオーストラリア放送局「ABC」の報道が脚光を浴びている。
同局は「鹿の麝香腺、偽ファン、禁じられた友人――北朝鮮女子サッカー代表チームの内幕」と同国サッカーを象徴する出来事をピックアップ。観客に当局関係者を動員したり、外部との交流が遮断される状況とともに、過去のドーピング騒動を強調して報じた。
「北朝鮮の選手たちがこれほど競争力を持つのは、指導、栄養、施設、装備以上のものが提供されているという噂が何十年も渦巻いている」と同局は指摘。「2011年にドイツで開催された女子ワールドカップで、北朝鮮の主力選手5人がドーピング検査で失格となった」と振り返り、その際の北朝鮮側の〝不可解な釈明〟と紹介した。
「北朝鮮の公式説明によれば、選手たちは雷に打たれ、鹿の麝香腺から作られた伝統的な薬で治療され、それが薬物検査の結果に偽陽性をもたらしたという」。
そして、ドーピング検査で失格となった選手たちに待ち受ける〝その後〟に懸念も示す。
「ドーピングが発覚した選手たちが北朝鮮に帰国後にどうなったかは不明だ。国際舞台で失敗したり、国家に恥をかかせたりする選手に対する処罰は厳しいものになる可能性があると広く信じられている」とドーピングに限らず、国際舞台で〝失敗〟した選手たちには、帰国後に過酷な〝試練〟が待っていると危惧した。
選手たちが背負わされる〝重圧〟が、北朝鮮女子サッカーの強さの秘密なのだろうか。