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空自機が領空侵犯のロ軍機に初のフレア発射 軍事事情通は「何分で戦闘機が来るかを計測」と指摘

東スポWEB 2024年9月24日 6時3分

ロシア軍の哨戒機が23日、北海道の礼文島付近を3回にわたって領空侵犯したため、自衛隊機が初めてフレア(火炎弾)を発射した。防衛省統合幕僚監部が発表した。

航空自衛隊のF15戦闘機とF35戦闘機がスクランブル(緊急発進)し、警告としてフレアを発射した。フレアは、赤外線誘導ミサイルなどをかく乱する強い熱を放つ〝おとり〟の弾などのこと。攻撃には使えないため、射撃には該当しないという。これまで40件以上の領空侵犯があった中で、空自機がフレアを発射したのは初めてとなる。木原稔防衛相は同日、外交ルートを通じてロシアに強く抗議したとした。

軍事事情通は「フレアは本来、敵の赤外線センサーを欺瞞する囮熱源で、赤外線ミサイルなどで狙われた戦闘機が逃げるために使われるものですが、これまでロシア軍はシリアなどで米軍の無人機にフレアを目的外使用して、嫌がらせの進路妨害を行ってきました。フレアは派手で目立つので警告の意志を伝えるために使われることもあります」と指摘する。

日本にとって衝撃的な領空侵犯だったが、ロシアにとってみれば珍しいことではないようだ。ロシアは今年6月にスウェーデン、9月にはルーマニアを領空侵犯している。

「ロシアは意図的に領空侵犯して、実戦的な演習をするんです。国際法では領空侵犯しても相手国の警告に従って退去すれば済むわけですから、わざと侵犯して、何分でスクランブルした戦闘機が来るかを計測し、演習したのでしょう。防衛省が公開した写真を見ると、ロシアの哨戒機は爆弾倉のハッチを開放していたので、対潜爆弾やソナーを投下する訓練をしたと考えられます」(同)

統合幕僚監部によると、ロシアと中国の艦艇8隻は合同して、22日に北海道の奥尻島の西約300キロの海域を北東進し、23日に宗谷海峡を東進した。哨戒機もそれらの艦艇と行動を同じくしていたようで、その過程で領空侵犯し演習をした可能性が高い。

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