〝邪道〟大仁田厚（６６）が、自らの魂を引き継ぐ「最後の邪道継承者」に河上〝ファイヤー〟隆一（３５）を指名した。
河上から共闘要請を受け、２５日のＧＬＥＡＴ新宿大会に予告通り来場。乱入を試みた１９８８年１２月２２日の大阪府立体育会館で、ＵＷＦの神新二社長から「チケット持ってますか？」と拒否された屈辱と反省を踏まえ、正面から入場券を購入して堂々と会場に入った。
ところがＴ―Ｈａｗｋから猛反発を受ける。河上率いる反体制派「反ＧＬＥモンスターズ」の面々と並び立つも、「アンタだけはこのリングに上げさせねえ」と拒絶され押し問答の末に会場を後にした。
大仁田は「今日は鈴木裕之社長に話があって来たのに、何で変なのが出てくるんだ。おかしいだろ」と不満たらたらだ。それでも隣で河上が「今まで何か月も傍観していたＴ―Ｈａｗｋが何言ってんだ」「ここが反ＧＬＥのど真ん中だ！」などと雄弁に語る姿を見て「お前、しばらく見ない間にしゃべりがうまくなったなあ」と目を細める。
これですっかり上機嫌になり「俺は最近、反骨心のある若者を育てて邪道を引き継いでほしいと思っていたんだ。そして今日の河上を見て決めたよ。今までいろんなヤツを育ててきたが、河上が最後。コイツを最後の邪道継承者にする」と言い出した。ここで「何人目の最後なのか」と疑問を抱いてはいけない。それこそ邪道の思うつぼだ。
さらに大仁田は「そういえばＧＬＥＡＴにはＵＷＦのベルトがあるらしいじゃないか」と目を光らせる。因縁の団体名を冠するＬＩＤＥＴ・ＵＷＦ世界王座のベルトに対し「河上を育て、ＵＷＦに復讐する。今こそ４０年前の屈辱を晴らす時だ…」と宣戦布告だ。
同ベルトは現在、〝××スタイル〟こと中嶋勝彦が保持する。「河上ｖｓ中嶋で電流爆破ＵＷＦ王座戦しかない。それこそ反ＧＬＥのど真ん中じゃ！」。面倒ごとはほどほどにしてもらいたいものだ。