さらなる飛躍のカギは――。陸上女子で五輪2大会代表の田中希実(25=ニューバランス)が25日、都内でシーズン報告会に出席し「改めて世界のトップを目指したいと思い始めた」と意気込んだ。
今季は積極的にダイヤモンドリーグ(DL)へ参戦すると、DLファイナルの5000mでは自身の日本記録(14分29秒18)に迫る14分31秒88をマーク。パリ五輪では1500&5000mで決勝進出を逃したが、父でコーチの健智氏は「1年通して初めて世界のカレンダーに合わせた活動ができた」と一定の手応えを口にした。
ただ「DLのすべてのレースが全力だった点はまだ力が届いていない部分。海外の選手はタイムトライアルに充てているレースもある」と世界との差も実感。その上で東京開催の2025年世界選手権に向けて「(DLなどのレースに)合わせなくてもある程度評価できるタイムを出すことができたら、東京の世界陸上で花を咲かすことができるのではと思っている。今の課題はスピードをキープする能力だと思うので、そういうところをこれから磨いていけたら」と展望を語った。
世界の頂を見据える田中は「本当に世界のトップに1点集中して普段の練習や生活から取り組んでいかないといけないと思うようになった」。次なる戦いへ、日本のエースが覚悟を決めた。