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【女医のお部屋】耳が原因のめまい 症状が出て1週間以内なら使える薬の選択肢が広がるケースも

東スポWEB 2024年9月29日 11時28分

めまいを訴えるケースの中で、およそ原因の6割が耳からのものだという。耳が原因のめまいにはどういうものがあるのか。耳鼻咽喉科医の木村聡子先生に教えてもらおう。

――どのような耳の病気がめまいを起こしますか
木村医師(以下、木村)「良性発作性頭位めまい症」「メニエール病」「前庭神経炎」などが主な原因となります。症状が出て1週間以内ならば使える薬の選択肢が広がるケースもあるため、「おかしいな?」と感じたら、早めに耳鼻科などを受診してください。

――良性発作性頭位めまい症というのは初めて聞きました

木村 めまいの原因はこれだったというケースが一番多いです。耳の中には内耳という器官があり、そこには三半規管というリンパ液が満たされているトンネル部分があります。その機能で人間はバランスを保っているのですが、その中に石が流れ落ちて、リンパ液の流れを乱すことで、めまい症状が起きます。この石は、もともと内耳の中に埋まっているもので、老化などによる代謝や頭をぶつけた衝撃などで剥がれ落ちます。

――台風など気圧の関係が影響するのはこれでしょうか?

木村 いいえ、気圧の影響が関係するのはメニエール病です。メニエール病は内耳に満たされているリンパ液の圧が上がることで起きるとされています。つまり、台風などで外の気圧が下がることで、相対的に内耳の圧が上がり、耳鳴りや聞こえの悪さ、めまいといった耳の症状が出るわけです。
――前庭神経炎はどういう病気ですか

木村 前庭神経は体のバランスをとることに関係している神経です。風邪などをひいたあとに、この器官にウイルスなどが影響し、炎症を起こすことで、めまい症状を引き起こすことがあります。

――これらの治療法について知りたいです

木村 石が原因の場合は、石をうまく排出することができれば症状が収まるため、体操のようなものを行うことがあります。石は自然と溶けてなくなることもありますし、動いているうちに、元に戻ることもあるため、1週間もすれば徐々に改善することが多いです。メニエール病や前庭神経炎の場合は薬での治療がメインとなります。

――自宅でめまいを少しでも緩和させる方法を教えてください

木村 めまいがひどい時は明るすぎないなるべく静かな環境で、目を閉じ、横になりましょう。ただし、メニエール病など、めまいの種類によってはなるべく動いた方が治りやすいものもあるので医師に相談してみてくださいね。

☆きむら・さとこ 医学博士、日本耳鼻咽喉科学会専門医、日本アレルギー学会専門医、補聴器適合判定医。大学病院、総合病院などを経て、現在は都内病院とクリニックに勤務。耳鼻咽喉科疾患全般において年齢層を問わず幅広く対応し、丁寧な説明を心掛けている。

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