総合格闘技イベント「ＲＩＺＩＮ．４８」（２９日、さいたまスーパーアリーナ）でＲＩＺＩＮバンタム級王座決定戦が行われ、井上直樹（２７）が、キム・スーチョル（３２＝韓国）を圧巻のＫＯで撃破して新王者となった。
前王者の朝倉海が米ＵＦＣに挑戦するため、王座を返上。元ＵＦＣファイターはなかなか王座に手が届かなかったが、千載一遇のチャンスに序盤から鋭い打撃で圧倒。右ストレートからヒザ蹴りでキム・スーチョルを吹っ飛ばした。さらに強烈な左ストレートで対日本人無敗の韓流ファイターを腰砕けにさせると、バックに回って顔面にパンチを連打。動きの止まった〝スーさん〟はロープから上半身を出してしまい、レフェリーが試合を止めた。
１Ｒ３分５５秒で圧巻のＴＫＯ勝ち。初のメジャータイトルを手に入れた井上だが、喜びを爆発させることはなく、端正なポーカーフェースを崩さない。試合後の会見でも「うれしいです。いつも試合よりはうれしい。リング内でもコーチの方々が喜んでくれたので」と、声のトーンを上げることなくほほ笑んだ。
リング上では「ベルトを取ったんで、防衛戦を大みそかでやりたい」とマイクアピールしたが、会見でも「チャンピオンになって、全然試合できるので、大みそかの舞台に出られたらいい」と大みそか決戦出撃を熱望した。
挑戦者については「誰がいるか、誰とできるかわからないので。今回勝った元谷（友貴）選手と再戦するのもいいと思うし、他にも強い選手がたくさんいる。ここからがスタート」と明言することはなかった。
今後はフェザー級王者の鈴木千裕のように、ＲＩＺＩＮの〝顔〟として活動していくことには「それは、ＲＩＺＩＮ側がわかっていると思うんで…。わかっていると思います」と苦笑い。イケメンの新王者は大言壮語することなく、終始クールだった。