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ボートレースを盛り上げたい!西山貴浩「ファンの皆様のためパフォーマンスに体張ってます」

東スポWEB 2024年10月1日 11時38分

水上で激しい戦いを繰り広げるボートレース――。この世界で「艇界のエンターテイナー」と呼ばれるボートレーサーがいる。西山貴浩(37=福岡)だ。水面ではSG、GⅠといった最高峰の舞台の常連。その一方で陸の上でマイクを握れば軽妙なトークでファンを笑わせる。ビッグレースのオープニングセレモニーではふんどし一丁、黄金の全身タイツ姿、風船おじさん…といった体を張ったパフォーマンスでファンを喜ばせている。このパフォーマンスの土台には「大好きなボートレースを盛り上げたい」という確固たる思いがある。西山の“笑顔の素(もと)”になっているひたむきな姿に迫った。

――最近はボートレース場だけでなく場外舟券発売場となるボートレースチケットショップ(BTS)でのトークショーが増えている

西山 昨年は鹿児島県のBTSでポンコツ会のトークショーやりましたね。観光バスを貸し切って県内のBTSを1日で3か所行きました。この前は北海道に行ってきました。札幌と旭川。結構、ハードスケジュールです(笑い)。でも、呼んでいただけるのは本当にありがたい。BTSはどんどん行きたいと思っているんですよ。

――理由は

西山 だって、BTSのある場所ってボートレース場がない都道府県も多い。北海道、東北もそうだし、九州でも鹿児島、熊本、宮崎とか…。レース場がないのに舟券を買いにわざわざ足を運んでくれる。こんなにありがたいことないじゃないですか。だから、BTSのお客さんに感謝の気持ちを伝えるという意味でも現地に行ってイベントをやりたいと思っています。全国のボートレースファンに楽しんでもらいたいですよね。ポンコツ会で全国のBTS制覇。これが今の目標です! BTSって結構、数ありますよね。

――全国で84か所あります

西山 多いですね…(汗)。でも、1つでも多く回りたい。関係者の皆さま、ぜひポンコツ会を呼んでくださいね。お願いします!

――ポンコツ会の認知度もかなり上がった

西山 そうなんですよ。ボク、森高一真さん、片岡雅裕クンの家族が集まって大阪のUSJに行った時も声をかけられました。オープニングセレモニーでも一真さんへの声援も増えてます。一真さんって見た目は怖いとか、あまり話さないというイメージが多かったと思うんですけど、実際は全然、違うんですよ。ずっとバカみたいなことを言ってますからね。ピットでもボクが取材を受けているのをトイレの中から窓を少しだけ開けてジッと見つめている。その一真さんの姿がボクから見えるような位置からそれをやるんですよ。そんな一真さんの姿を見たら笑っちゃうじゃないですか。石野貴之さんもそういうところありますよね。そういう一真さんや石野さんの面白いところをファンに見てほしいというのはありました。実際、イメージもだいぶ変わってきたんじゃないですかね。

――西山選手がファンサービスにこだわる理由は

西山 ボクたちの仕事はファンあってのもの。ファンの皆さまがいなければ成り立ちません。今年の夏も猛暑でしたが、炎天下の中、水面際まで出てきて声援を送ってくれたり、雨の中、びしょ濡れになりながら手を振ってくれたり…。水面からそういうファンの姿を見ると頑張らなきゃって思うし、元気も出ます。コロナで無観客開催を経験しているから今は以前よりももっとファンの皆さんへの感謝の気持ちが強くなっています。

――スタンドにファンがいるといないとでは違う

西山 そりゃあ、全然、違いますよ。お客さんがいない中でレースをするのは本当に寂しかった。オープニングセレモニーも映像。表彰式もお客さんがいないところでやるから歓声も拍手もない。味気なかったですよね。だから、今、お客さんが戻ってきて歓声や拍手をもらえるのがすごくうれしいです。トークショーなどのイベントでも目の前にお客さんがいるから反応も感じることができる。うれしいですよ。

――オープニングセレモニーのパフォーマンスは西山選手の代名詞となっている。パフォーマンスを始めるきっかけは

西山 オープニングセレモニーって1Rが始まる前の早い時間にやるじゃないですか。そんな早い時間からレース場に来てくれるファンに楽しんでもらいたいんですよね。早い時間から入場料を払って来てくれるファンが何か得してもらえるようなことをしたい。そう思って何か面白いことをしようと…。

――篠崎元志選手へのライバル心もきっかけというのは本当ですか

西山 本当です! オープニングセレモニーがあるのって記念とか大きい大会じゃないですか。そういう大会に出られるようになったんですけど、オープニングセレモニーの選手紹介って登録番号順のことが多くてボクの直前が元志さんっていうことが多かったんですよ。元志さんは、あのイケメンですから女性ファンから大歓声ですよ。ボクの順番になってもファンの視線は元志さん。誰もボクの方を見てくれないんですよ。それだったら何か面白いことをやってファンの目を引こうというのはありましたね(笑い)。

――パフォーマンスを始めたころは周囲の目も厳しかった

西山 先輩から「お前は口ばっかりじゃないか」と言われたり、呼び出されてメチャクチャ怒られたこともありました。でも、やるからにはボートレースでも結果を出さなきゃいけないという覚悟もあった。「口ばっかり」って言われて悔しくて結果を出して何も言われないようになったるって思ってましたね。

――家族の反応は

西山 どうなんでしょうね。でも、オールスターのオープニングセレモニーでふんどし一丁で出たことがあったんですけど、あれ以来、息子が家で裸でいる時に「服を着なさい」って言っても「父ちゃんは人前で裸になっとるのに…」って反抗されますね(笑い)。

――今は若い選手や女子レーサーもいろいろなパフォーマンスをやるようになった

西山 うれしいですよね。ボクがやってきたことが認められたというわけではないでしょうけど、そうやってみんなでボートレースを盛り上げようっていう流れがある。岩崎芳美さんがやっている工務店シリーズとかもすごいですよね。覚悟を決めてやり切っている。その覚悟を決められるかどうか。中途半端にやっても面白くないですからね。

――ボートレースのイメージCMでも藤森慎吾が西山選手をモデルにした選手役を演じている

西山 ボクのキャラクターを業界も認めたということですよね(笑い)。ありがたいですね。でも本音はモデルじゃなくてボク自身をイメージCMに出してほしい。あのイメージCMに出演するのも夢なんですよ。

――連載コラム「貴浩西山のキャビらない話」も8月で100回となった

西山 すごいですね。最初は1年だけでいいから、やってほしいって言われて始めたんですけど…。100回ってことはもう8年以上ですよね。おかげさまでファンの方々からも「コラム読んでますよ」って声をかけてもらえることも多くなった。

――今後は

西山 何も変わらないですよ。ボクが物静かな男になると思いますか? 無理です。変われないですもん。ボクはボク。こういうボートレーサーが1人くらいいてもいいでしょう(笑い)。ボートレースを盛り上げるためにボクができることを一生懸命やっていきます!

☆にしやま・たかひろ 1987年5月15日生まれ。福岡支部の97期生。福岡県出身。2005年11月に若松でデビュー。08年9月の若松で初優勝。20年9月の徳山ダイヤモンドカップでGⅠ初優勝。同年12月にはグランプリ初出場で初優出。通算49V(GⅠ3V)。24年の獲得賞金額は6222万7333円(16位、9月30日時点)。座右の銘は「笑う門には福来る」。家族は千晴夫人と1男1女。身長168センチ。血液型=A。

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