【銀の盾に聞いてみた】ユーチューブチャンネル登録者数10万人を突破した人物に直撃する「銀の盾に聞いてみた」。今回は小気味良いショートコントが話題を集め、現在進行形で爆発的な人気を獲得している演劇ユニット「転転飯店」(チャンネル登録者数約26万人、9月24日現在)をインタビュー。多摩美術大学在籍時からの仲という平山犬、中村亮太の2人に、“バズ”の反響やコント作りの裏側について存分に語ってもらった。
――チャンネル発足の経緯は?
平山犬(以下、平山)大学時代から同級生でやっていた劇団が、コロナ禍で解散して。1人だと赤字になるし、コントを続けられなかったんですよ。そんな時、彼(中村)を含めた今のメンバーが、お金のことはあまり考えずにやろうよと言ってくれて。
中村亮太(以下、中村)せっかくこれまで続けていて飛び切り面白いんだからやるべきだ、って。
平山 初耳ですね、そこまで思ってくれたとは知らなかった。
――現在は2人が登場するコントを中心に投稿
中村 稽古場を借りるとお金がかかるし、公園でも練習できる人数の限界、っていうことで今の形になりました。
――ショート動画が爆発的な人気を博している
中村 まさかこんなことになるとは…。100人登録してくれればいいと思ってましたから。
平山 初めて動画が1万回再生された時は公園にいたんですけど、稽古もしないでずっと「あと〇〇回再生だ!」って、はしゃいでましたね(笑い)。
――肩書としては平山が作家、中村が役者を担当
平山 そうですけど、ユーチューブにおいては彼(中村)の方が案を出してくれています。
中村 ショート動画の性質上、プレーヤーとしての瞬発力が重視されるのかなと。
平山 例えば「娘さんを僕にください、って展開で何かある?」と聞くと(中村が)案を出してくれるんですよ。その時の僕は作家でも何でもないというか(笑い)。
――演者側のお気に入りの動画は
平山 僕は「ONE PIECE」のルフィがダウナーだったら、みたいなコントかな。投稿前は「これはすごいことになるぞ」って言ってたけど、全然跳ねなくて…。
中村 再生回数がビタ止まりして、非公開にされたのかと思ったよね。
――ユーチューブの視聴者層に合わせる努力もしている?
中村 基本的には、迎合しようと…(笑い)。
平山 それだと言い方が良くないですけど、皆が分からない言葉は使わないようにしてますね。
中村 たまに我慢できずに、僕らしか面白くないこともしちゃうんですよ。オチで急に恐竜になったり。まとまっているコントは、この2人の発案ではないかもしれないです。
平山 こっちはすぐ恐竜になっちゃうからね。
――チャンネルの人気は公演にも影響した?
平山 第3回公演の稽古中にバズって、その前の公演と比較しても集客は倍増しました。当日券のために並ばれる方もいらっしゃって。
中村 初めて劇場で演劇を見たという方がいたのもうれしかったです。沖縄から来てくださった方がいたのも驚きで。
平山 本当に全国で流れているんだなって思いましたね…。
――今後目標にしている舞台や劇場は
平山 本多劇場ですね。甲子園のような明確な憧れがあるので、あの舞台でできたら1つ夢がかなうかなと。
中村 僕はまずは故郷の熊本に凱旋できれば。ピッタリの劇場が見つかるかは分からないですけど、どうにか披露できる場を見つけたいです。
――他のドラマや映画に参加する意欲は
中村 僕はクリストファー・ノーラン監督の映画か、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)作品に出たくて…。
平山 ええっ!?
中村 大きく言っておいた方がいいかなと思って、俳優として。
平山 それで言うなら僕はピクサー作品の声優をやりたいですね。
(一同、爆笑)
中村 お互いとんでもない出世をしないとね。
平山 あとは芸人さんのこともすごく尊敬しているので。単独ツアーの作家になって、一緒にコントを作るのは夢ですね。
――最後に視聴者・ファンにメッセージを
中村 視聴者の皆さんにはあまりに良い思いをさせてもらっているので、色を付けてお返ししたいなと思っています。長いコントや24時間配信のように、楽しんでいただけて、かつ僕ららしいことをやっていきたいです。
平山 正直今の状況はのみ込めていなくて、1年くらいかけて徐々に実感していくのかなとは思いますけど…。とにかく続けることを目標にしているので、これからも見ていただけたら。そして劇場に足を運んでいただけたら何よりうれしいです。
☆てんてんはんてん 作家の平山犬、役者の中村亮太を中心とした演劇ユニット。所属劇団の解散を経て2023年から活動を開始し、同時期にユーチューブチャンネルも開設。毎日投稿されるショートコントが人気を集め、登録者数は26万人を突破している。