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大谷翔平 PS初弾で見せた華麗なる〝バット投げ〟を全米賞賛…2年連続〝栄誉〟当確

東スポWEB 2024年10月7日 5時5分

衝撃のデビューだ。ドジャース・大谷翔平投手(30)が5日(日本時間6日)にパドレスとの地区シリーズ第1戦に「1番・DH」で先発出場。2回の第2打席でポストシーズン(PS)で第1号となる豪快な3ランを放ち、7―5の勝利に貢献した。9月から続く圧倒的なパフォーマンスが目を引くだけでなく、かつてない「バットフリップ(バット投げ)」の芸術性の高さも注目を集め、とうとう〝球界のピカソ〟にまで昇華しつつある。

記念の一打はとてつもないロケット弾だった。3点差を追う2回二死一、二塁で大谷はカウント2―1から4球目に投じられた96・9マイル(約155・9キロ)の直球を強振。角度25度で飛び出した111・8マイル(約179・9キロ)の打球は、低弾道のまま本拠地ドジャー・スタジアムの右翼フェンスを越えた。MLB移籍7年目で初めて立ったPSの舞台。打率3割9分3厘、10本塁打、32打点、16盗塁と無双した9月の最終戦から5日間が空いたが、この男に試合勘の狂いなど無縁だった。

5打数2安打3打点で終えた試合後、大谷は「試合前からすごい球場の熱気を感じて、終始ただただ楽しいゲームだったと思います。難しいボールでしたけど、打てたというのは自分にとってすごく自信になるかな」と涼しい表情だったが、ド級のインパクトを残した一発では米メディアなどから別の注目も集まった。それは本塁打を放った直後に見せる、いわゆる「バット投げ」だ。

米紙「ニューヨーク・ポスト」の電子版は「ホームランより高速だったのは、たぶん感情を爆発させながら(一塁側の)ダッグアウト方向に投げたバットだろう」と速報。さらに「ファンサイド」では「今シーズン最高のバットフリップだったかもしれない。あれは完璧だ。スポーツとは結局のところ美的な運動なのだ」と野球界には存在しない〝芸術点〟も高く評価し、米大手ブックメーカー「ファンデュエル・スポーツブック」でも「大谷翔平は史上最も激しいバットフリップをしたかもしれない」と分析した。

大谷が特大弾を放った際には、打球の行方を見届けながらゆっくりとダイヤモンドを駆け出す〝確信歩き〟をはじめ、最近では打席内にそのまま数秒間とどまる〝確信立ち〟も散見されている。ところが、感情が沸点近くに達すると、普段の優雅な光景は一変する。昨春、世界一奪還を果たしたWBC決勝ではクローザーとして9回のマウンドに立ち、最後は当時エンゼルスで同僚だったトラウトから空振り三振。すると、かぶっていた帽子も左手にはめていたグラブも思いっきり投げ捨て、喜びを一気に爆発させていた。

この日の大谷も初のPSと最高の結果に、高揚感を抑えきれなかったのだろう。雄たけびを上げたのはもちろん、打球を捉えた直後、もう一度スイングするように豪速で放り投げ、バットはクルクルと回転しながらすっ飛んでいった。

実は「バット投げ」では大谷は昨年も〝大賞〟に輝いている。「MLBネットワーク」は今年1月に2023年の「トップ・バットフリップ5選」を発表しており、コーリー・シーガー(レンジャーズ)、デラクルーズ(レッズ)、アドリス・ガルシア(レンジャーズ)、フェルナンド・タティス(パドレス)を抑えて大谷が〝トップ〟に輝いている。

ちなみに、その一打はエンゼルスに在籍した昨年7月17日(同18日)のヤンキース戦。3試合連続となる35号2ランを中越えへ放ち、柵越えを確信した大谷はバットを右手一本でポーンと放り投げて絶叫している。

米国ファンのSNSでも「大谷のバットフリップはA+級だった」などと芸術性にもウットリ。20世紀最大の芸術家といえばピカソだが、そんな天才でも描けなかったアートを大谷は今後も描き続けそうだ。

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