米プロバスケットボールNBAレイカーズの八村塁(26)に関する質問をめぐって、J・J・レディック新ヘッドコーチ(HC)が記者に激怒した。10月22日(日本時間23日)のティンバーウルブズとの開幕戦に向けて調整が進む中で、指揮官が報道陣と一触即発のムードになって波紋を呼んでいる。
米バスケットボール専門メディア「フェイダウェーワールド」は、レディックHCの会見で八村に関する質問が飛び出した際の一幕を、「八村塁に関する〝物語〟をつくり上げるように扇動する記者を許すつもりはなかった」として報道。以下のようなやり取りがあった。
記者「ルイはあなたたちのために、次のステップを踏み出せると思いますか?」
レディックHC「次のステップとはどういうことだ?」
記者「あなたが私に教えてくれますか?」
レディックHC「君が私に教えてくれ。君は〝物語〟をつくっている。次のステップは何かだって? ルイの次のステップなんて気にしていない。気になるのは、彼がチームの勝利にどう影響するかだ。私にとってはそれが次のステップだし、彼はそれができると思う」
さらにレディックHCはこうまくし立てた。「われわれは、ミドルレンジからのシュートの点から見て、彼のシュート特性がどのようなものか、また、ミドルレンジからのシュートの量と割合について認識しておかなければならない。彼と話し合ったこと、彼に対して強調し続けてきたことは、勝利に高いレベルで影響を与えるだろうと思う」
同メディアは、指揮官が〝激怒〟した背景をこう解説した。「レディックが記者の行為を非難したのはまったく公正な行為だった。特に、メディアで選手について否定的な報道がなされた場合、それが選手の精神に及ぼす影響を考えればなおさらだ。記者は故意にそうしたわけではないかもしれないが、レディックができるだけ早くそれを止めたのは正しい判断だった」。八村の実力を疑問視するような記者の質問を、本人への影響を懸念して指揮官が〝シャットアウト〟したというわけだ。
「レディックは(放送局の)ESPNでパーソナリティーだったころ、メディアが物語をつくり上げ、センセーショナルに伝える習慣に声高に反対していたことで知られていた。彼の職務内容は変わったが、今でもメディア関係者に責任を追及している」と同メディアは、レディックHCがマスコミへの警戒心が強いことも強調した。
思わぬ騒動に巻き込まれた形の八村だが、スタメンが内定している開幕戦に向けて雑音に惑わされず調整を進めたいところだ。