嵐の前の静けさか…。阪神は12日から始まるDeNAとのCSファーストステージに向けて、7日に甲子園球場で全体練習を行った。
岡田彰布監督(66)は今季限りでの退任決定後、初めて報道陣に応対。ただ、会見場に姿を現すと「何もないやんか、言うこと。言うことはない」と切り出し「退任を伝えて今はフラットな気持ち? いや、別に何でもないよ。もう別に、いらんことしても、しゃあないから」と話すなど終始淡々としていた。
そうはいっても、前日6日に指揮官から直接退任の報告を受けた猛虎ナインの闘志には、完全に火がついている。梅野は「監督も『1試合でも多く』と言われていたので。そういう意味では、それを目指してやりたいです」と意気込めば、桐敷も「CSもあるので、実感はありませんが。監督が言っていた通り、いつも通り強くやっていければと思います」などと強い決意を示していた。
そんな思いがナインの口々から出てくれば監督としてはうれしそうなものだが、虎将は「いや、それは分からんよ、そんなんは。やってみんと分からんやん。(ポストシーズンは)一発勝負やからな」とキッパリ。普段は雄弁に語る指揮官が、最後のポストシーズンを前に連発した〝つれない姿勢〟には不気味さもにじんだ。
それでも、最後は「もう何もないよ。試合を全力でやるだけやん」と言い残し、球場から引き揚げた岡田監督。リーグ連覇を逃したものの〝日本一アレンパ〟へ静かに燃えている。