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【ザ・グレート・カブキ連載#28】娘に怒られた!〝隠し子〟ムタとの親子対決実現

東スポWEB 2024年10月8日 16時10分

【ザ・グレート・カブキ 毒霧の真実(28)】1993年には武藤敬司の“化身”であるグレート・ムタとの「親子対決」が実現しました。

ムタは武藤が米国遠征中の88年に“誕生”。自分を担当してくれたゲーリー・ハートをマネジャーに付けて米国で大ブレークしました。確か当時、誰からだったか忘れたんですけど「カブキの息子として米国でデビューしてもいいですか」みたいな連絡が来て「ああ、構わないよ」って言ったんだと思います。

そしたらそれからしばらくして、娘に「お父さん、よそに子供いるでしょ!」って怒られたんですよ。何だと思って「そんなのいないよ」って言ったら「この間、カブキの息子っていうのがテレビに出てたから今度見てごらん」って言うから。それで見たのがムタでした。娘には「違うよ、これは武藤だよ」って。笑い話ですよね。

ムタを初めて見たときは率直に「新しいな」と思いました。こういうレスリングもあるんだって。あの体でよく動いていたからね。しばらくしてフロリダで初めて武藤に会ったけど、その印象は「行儀のいい子だな」と思いましたよ。

自分が新日本に参戦したことで“息子”と対戦の機会が訪れました。最初は93年5月のWAR日本武道館大会で、再戦が6月、新日本の日本武道館大会でした。ムタとは安心して試合ができましたよ。間合いもいいしね。試合中に、後ろからガッと頭をつかんだら、ずいぶん髪が減っていたから「お前もずいぶんハゲてきたなあ」って言ったら、かなり動揺していましたね(笑い)。

試合は2戦とも大流血戦になりました。特に2試合目は、ムタのイス攻撃で自分の額が割れて噴水のように血が噴き出しました。額にある血管って、普通は切れてもチョロチョロとしか血は出ないんです。ところが自分は米国で、それを「ピューッ」と飛ばす方法を習得していたんです。力み方にコツがあるんですけどね。だから米国では、額が割れたらお客さんの方を向いてピューッと出した血を手にためて飲んだんですよ。そしたらリングサイドで観戦していた女の子が顔を背けて「クレイジー!」って言ってましたね。当時はこの“特技”が効果を発揮してましたよ。

そして武藤とともに「闘魂三銃士」として期待されていたのが蝶野正洋と橋本真也でした。三者三様、それぞれのキャラクターがあったから面白かったと思いますよ。蝶野は試合運びがうまかったけど、橋本はバタバタで間合いもくそもなかった。だけど、武藤や蝶野、越中詩郎たちがいるから「ワーッ」と行ける。そういうのが1人いると盛り上がるんです。

逆にそういう選手ばっかりだと崩壊したSWSみたいになっちゃうんですよね(笑い)。

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