所得倍増となるか。ドジャース・大谷翔平投手(30)の契約内容が大幅に見直される可能性が出てきた。レギュラーシーズンで前人未到の「54―59(54本塁打&59盗塁)」を達成。この勢いのまま地区優勝したチームをワールドシリーズ制覇に導けば、球団側は大谷と締結した10年7億ドル(当時のレートで約1015億円)の破格契約にスーパーインセンティブとして、さらなる上乗せも検討しているという。仰天の〝2倍プラン〟を促す声まで飛び交っており、行方が注目されそうだ。
大谷の打棒爆発にドジャースの命運がかかっている。チームはパドレスとの地区シリーズ真っただ中。初戦で大谷は1号同点3ランを放つなどマルチ安打の活躍で先勝に大きく貢献したものの、2戦目は相手先発・ダルビッシュの前に無安打に封じ込まれてチームも大敗を喫した。
その一方、レギュラーシーズンではこれまで誰も成し遂げられなかった「50―50」の壁をぶち破り「54―59」にまで数字を伸ばした。チームを3年連続の地区優勝へと導き、54本塁打、130打点でナ・リーグの打撃2冠王も確定。2年連続の最優秀選手賞(MVP)選出も有力視される大谷とドジャースの面々も究極のゴールが2020年以来、通算8度目となる世界一の座であることは言うまでもない。
昨オフにFAとなっていた大谷とドジャースは10年7億ドルの歴史的なメガディールを締結。当初は費用対効果を疑問視する意見が米国内でも出ていたが、そんな詭弁も今やモンスター級の活躍によって忘却のかなたに葬り去られた。それどころか球団周辺からはドジャースに「もっとビッグマネーを出すべき」との指摘まで飛び交い始めている。
米放送局「FOXスポーツ」も「ショウヘイ・オオタニ:なぜか低賃金の7億ドル男」と題した記事をリポート。契約総額の97%を10年後からの後払いとし、今季年俸200万ドル(約2億9700万円)だけを受け取って課税されている実情も踏まえ「給料が低すぎる」と問題提起し「彼は10億ドル(約1481億2500万円)の無形の価値があるだろうか? それ以上だ」と論じている。
米国内の世論も徐々にヒートアップ。こうした背景からドジャース内部では今季のチームでMVPに匹敵する貢献を誇る大谷に対し、すでに締結済みの契約条件に〝スーパーインセンティブ〟を新たにプラスする方向で話が進められている模様だ。関係者の話を総合すると、この付帯条項には2つのノルマが加えられるという。
ドジャースに近いMLB関係者は球団の内情について、こう明かす。
「今季のオオタニは当初の予想以上に爆発的な活躍と貢献度でチームをけん引している。ベッツやフリーマンら中心的役割を果たす強打者たちがシーズン中に軒並み離脱したこともあった中、不慣れなリードオフマンを任されながら、ここまで負傷欠場することなく結果を出し続けている。もっと評価してあげなければいけないという声が、ドジャース内部から出てくるのも当然の流れだろう。もちろん無条件ではなく『50―50』に加えて『ワールドシリーズ制覇』という2つのハードルが課されているようだ」
前者はクリア。だが後者の「世界一の壁」は難関だ。グラスノー、ストーン、カーショーもIL(負傷者リスト)入りで壊滅状態の先発陣がポストシーズンでの大きな足かせとなっている。
「オオタニは最初のクオータ(ノルマ)となっていた『50―50』は達成済み。そして次にポストシーズンでもオオタニがチームの不安材料を全て吹き飛ばすような爆発的な活躍を見せ、ドジャースを世界一に導けば…。少なくとも100ミリオンドル(約141億円)の〝スーパーインセンティブ〟が付与されることになりそうだ」(前出関係者)
その「100ミリオンドル」の域にとどまらず球団内の一部、さらには地元ロサンゼルス近郊のシリコンバレーでドジャースをバックアップする企業の上層部からは「もう7億ドル出してやるべき」との仰天案まで浮上しているというから驚きだ。
一見すると〝契約倍増〟は非現実的かと思われそうだが、前出の関係者いわく「〝スーパーインセンティブ〟の受け取りも後払いにすれば、球団の負担も軽減される。ドジャースを支援する複数のスタートアップ企業が『オオタニのために我々が、そのインセンティブを用意する』と名乗りを上げていることもストロングポイント」という。
大谷が数々の栄光を手にし、世界有数の〝ミリオネア〟となる日は近そうだ。