大一番へ至宝が〝絶口調〟だ。日本代表は９日（日本時間１０日）、北中米Ｗ杯アジア最終予選サウジアラビア戦（１０日＝同１１日、ジッダ）へ向けて試合会場で練習を行った。過去３戦全敗と最大の難関となっているサウジアラビアのアウェー戦だが、ＭＦ久保建英（２３＝レアル・ソシエダード）は超強気モード。〝タケ節〟を全開させながら活躍を予告した。
今最もノッているのが久保だ。代表合流前の６日に行われた強豪アトレチコ・マドリード戦でスタメン出場すると、鋭いドリブル突破で再三相手を翻ろう。終盤には強烈なシュートも放つなどチームの攻撃を力強くけん引した。１―１の引き分けで自身は無得点だったが、現地メディアはこぞって高い評価を与えた。
サウジアラビアとの決戦を前に、この日取材に応じた久保は現在の状態について「僕自身のコンディションはたぶん今、一番いいんじゃないですかね。めちゃくちゃ調子はいい」と力強く絶好調宣言。自信満々のオーラを放った。
よほど調子の良さを実感しているのか、いつになく舌も滑らかだ。
サウジアラビア戦はアウェーで過去３戦全敗と不利なデータについて問われると「統計学的に言えば、いつか勝てるものだと思いますし、すべて。データなんてあんま気にせずに」と全く意に介さない様子。そして「別に勝ったからといって、そんなね、ちっぽけなことを見てる選手はいないと思うんで。それが歴史を変えるみたいな大々的に報道されても、僕らにとってプラスじゃないと思うので、しっかり勝ち点３を取れれば」と報道の仕方にも〝注文〟を付けた。今の森保ジャパンの実力を考えれば、鬼門の地で勝ったからといって大げさに喜ぶほどのことではないという自信の表れだ。
さらに、試合会場のキング・アブドゥラー・スポーツ・シティー・スタジアムには、６万人超の相手サポーターが押し寄せる見込みだが、そんな〝完全アウェー〟を久保はむしろ〝歓迎〟する。
「僕はチームとしてどういう戦い方をするか分からないですけど、個人的には満員でアウェーでっていうほうがいいプレーしがちなので、そっちのほうが僕的にはうれしいかなと思います」と大胆不敵に宣言。大観衆の相手サポーターからヤジや怒号が浴びせられるような厳しい逆境のほうが、かえって闘志をかきたてられて力を発揮できると堂々言ってのけた。
そして「勝たなきゃいけないのは向こうなんで、多分向こうのほうがじれてくるんじゃないすかね。あんまり特にこうしようとかいうのはないっすね。いざ、チャンスがあったら、いつもどおりのプレーをすれば問題ない」とどこまでも強気だ。
至宝が最難関アウェーを突破する強烈な一撃を見せてくれそうだ。