２日連続で行われるボクシング７大世界戦１日目（１３日、東京・有明アリーナ）の前日計量が１２日、都内で行われ、４つの世界戦に出場する８選手は全員パスした。メインイベントのＷＢＡ世界バンタム級タイトルマッチ（上限体重５３・５キロ）は、王者の井上拓真（２８＝大橋）が５３・５キロ、挑戦者で同級２位の堤聖也（２８＝角海老宝石）は５３・４キロだった。
堤とは１２年前の高校総体で勝利して以来の再戦となる拓真。計量後の写真撮影では、リベンジの思いをぶつけるかのような鋭い目つきの堤と約２０秒間にらみ合い、別れ際には笑顔で握手をかわしたが、堤から「次は俺が勝つからな」と言われたことを明かした。
だが、これには「あ、そっかと思って。自分は何も言わずに、結果で見せてやろうかな、という感じですね」と無言で対応したという。「１２年も自分のことを思ってきたのであれば、そう思うのも当然かなと。自分は冷静に淡々と自分のボクシングをするだけなんで」と、余裕の表情でリベンジへの自信を示した。
減量も順調に終わったといい、「いつも通り万全に仕上げました」とコンディションにも手応え十分。「自分は離れてもくっついても自分のペースでやるだけ。本当に何もできなかったって言わせるような試合展開にしていきたい」と完勝をイメージした。
一方の堤は、久しぶりに向かい合った拓真について「いい顔していましたね」と評し、「ベルトもあまり見なかった。ベルトを気にしないぐらい井上拓真に集中できているんだなと感じた」と振り返った。世界王座をかけてのリベンジ戦に「拓真とやるのが僕の悲願であるし世界タイトルもそうだし、そういう思いが乗っかった部分はあるんですけど、今のマインドはいつもの試合前日と一緒」と、冷静であることを強調。減量の回復食もいつも通りのウナギであるという。