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未来の自分へ手紙を送ることができる「封灯」詩人のオーナーが東京・蔵前を選んだ理由

東スポWEB 2024年10月13日 11時0分

【今日もひとりで謎喫茶「封灯(東京・蔵前)」】お疲れさまです。ポストに届いた書類の確認が後回しになってしまいがちな、東スポぼっち記者です。変わったコンセプト・体験で人気の喫茶店を取材する「今日もひとりで謎喫茶」。今回は都営地下鉄・蔵前駅から徒歩3分の場所にある、1年後の自分に手紙を送ることができる喫茶店「封灯(ふうとう)」さんにお邪魔しました!

今回訪れた「封灯」は詩人でもあるオーナーの小山将平さんが、昨年12月に開いた喫茶店です。もともと運営していた未来の自分に手紙を送ることができるお店「自由丁(じゆうちょう)」から出発し、喫茶サービスを追加した2店舗目という形で営業を始めました。いざ入店すると壁にはシーリングスタンプが施された封筒がびっしり。一歩踏み入れただけでこだわりとおしゃれな雰囲気を感じることができました。

ちなみにロケーションとして蔵前を選んだ理由は、小山さんいわくゆっくり時間が流れている街だったため。手紙を書いて自分と向き合える空間をつくろうとした結果、もの作りで有名な蔵前がピッタリだったそうです。実際お店の周りを散策してみると、気になる工房が点在していました。これは確かに時間をかけて味わいたい街ですね。

お店を訪れるのは20代から30代が中心とのこと。とはいえその日が誕生日だという方、東京観光の一環で来店する方、普段使いの喫茶店として利用する方など、目的はさまざまだと小山さんは言います。じっくり時間を取って手紙を書くというコンセプトも影響して、繁忙期は長期休暇のシーズンなのだとか。特に春は入学・卒業、就職に転職と、人生の節目を迎える方が決意も兼ねて多く来店されるそうですよ。

お店のサービスは、詩と喫茶メニューが楽しめる手軽なコース「A CUP OF LETTER」と、時間をかけて手紙を書くコース「TOMOSHIBI LETTER」の2つが中心です。今回はせっかくですから、ゆったりとした時間を過ごせる後者を選択。するとアイスコーヒーとガトーショコラに合わせて、片面に風景、裏には詩が印刷されたウエルカムカード、さらに封筒とハガキのセットがテーブルに届きました。ドリンクとスイーツを楽しみながら、卓上に置かれた筆記用具を使って、思い思いの文章を書くことができます。手紙のテーマも3種類あり、それぞれに合わせたカードが用意されているそうです。

とはいえ実際には、キーボードやフリック入力を日常的に使っているが故に、久々の手書きに対して難しさを感じてしまう方もいるとのこと。そのためハガキの裏面は、簡単な質問に答えて頭の中を整理する「リフレクションカード」になっています。現在の自分と向き合い、しっかりと心の準備をしてから書き始めることができるので、手紙を習慣にしたい方が導入として利用されるのも良いかもしれませんね!

加えて書き足りない方のために、絵ハガキがもう1枚付いているのもうれしい気遣いです。こちらは追加料金を払って家族・友人に郵送しても良し、一緒に来店した方に向けたメッセージを書いて、お互い交換しても良しと、ユーティリティーな使い道ができますよ。

私も恥ずかしながら、1年後の自分が元気になるように、前向きなメッセージを書き上げました。不思議なもので、文字にすると少し暑苦しい言葉もすんなり受け入れられてしまうものですね。内容はさすがにお伝えできませんが、来年の私はこの文章できっと笑顔になってくれると信じています(笑い)。

そして体験の最後を締めくくるのはシーリングスタンプです。本来は手紙が未開封であることを表すために、ろうの上からスタンプを押すという作業なのですが、これがなんともおしゃれ! 20色以上のろうから気に入った物を4粒選び、小さなランプで溶かしていきます。その後はゆっくりと封筒の上に垂らし、最後にスタンプを押して完成。当日は紺と水色のろうを混ぜた結果、きれいなマーブルの封をすることができました。子供の頃「招待状」に憧れを持っていたという方には、ぜひ体験してほしいです。

最後に店内のポストに投かんして、コースは無事に終了。気持ちを込めた手紙がストンと入っていく姿には名残惜しさすら感じました。一取材ではありますが、確かに心が豊かになった実感がありましたね…。

☆ふうとう 都営地下鉄・蔵前駅から徒歩3分に立地する喫茶店。2023年末に開店し、喫茶メニューを楽しみながら1年後の自分に手紙を書くことができるコース「TOMOSHIBI LETTER」が人気を集める。営業時間は月・水~金曜午後1時~同9時、土・祝日午前10時~午後9時、日曜午前10時~午後8時(火曜定休)。

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