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【阪神】藤川球児新監督は〝批判上等〟 ストッパー時代からの矜持「批判に耐えて数字を残してこそプロ」

東スポWEB 2024年10月16日 5時0分

火ダルマ結構、炎上バッチ来い――。阪神・藤川球児新監督(44)が15日に大阪市内のホテルで就任会見に臨み、第36代指揮官として抱負を大いに語った。恩師でもある岡田彰布前監督(66)の「後継者」としての立ち位置を明確にし、球団からの就任要請を引き受けた心境を「普通に自然なこと。その時が来ただけ」と断言。結果によっては猛バッシングにさらされる立場となるが、桁外れの〝鋼メンタル〟は現役時代から培われている。

野村克也さんに始まり星野仙一さん、岡田前監督とさまざまな名将に仕えてきた火の玉右腕は、理想のリーダー像を問われると「岡田監督です」と即答。「強烈な素晴らしいリーダーシップを持った監督。今季も(9月以降)強烈な追い上げを見せたが、駒(選手)が違っても同じような順位に持ってくる力があった」と前監督へのリスペクトを前面に押し出した。

「(岡田前監督には)今日の朝、ご連絡させていただいた。すごく疲れているところでしょうが、気丈に『頑張れよ。またすぐ行くから』と。僕にとっての一番の大恩師。阪神タイガースは岡田監督であるといっても過言ではない」と親密な関係性をアピール。自身の脇を固める新内閣にも「岡田監督に鍛え上げられたコーチがいる。教えをこいながら頑張っていきたい」とした。

岡田前監督はレギュラーシーズン143試合とポストシーズンを戦った心身の疲労で体調を崩し、退任会見も行わずに自宅で静養中。周囲が過剰に求める結果を十分に残せなかった矢野元監督や、金本元監督も在任中は厳しい批判にさらされ続け、現在は球団とは一定の距離を保ちながら活動している。

過酷な現実は覚悟の上で臨まなければならない因果な職業。だが、藤川新監督は旧知のベテラン記者に「うまくいかなかったらボロクソに言われるで」と冗談半分で声を掛けられても「全然平気です。(現役時代に)それを経験していますしね」と不敵な笑み。「どうぞたっぷり遊んでやってください。批判は好きなところですから」と余裕を漂わせた。

現役時代の主戦場は最終回のマウンド。チームの勝敗を一身に背負い「抑えて当然。打たれればボロカスに叩かれる」という環境で腕を振り続けた自負がある。現役晩年の2020年のインタビューでは、こんな覚悟を口にしていた。

「僕は数字と戦ってきた人間。周囲から叩かれても、叩かれてもそれに耐えてチームを背負ってきた。批判に耐えて数字を残してこそプロ。今の若い選手たちにそれをどれだけ伝えることができるか」

指揮官としての門出となったこの日も「批判的な記事を書かれた時には、僕はもうそこにいない。すでに次のことに向かっている。そんなところに止まっている必要はない」と笑顔で語った炎のクローザー。甲子園のマウンドで鍛え上げた強心臓で、来季からはベンチを主戦場に戦う。

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