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【衆院選】萩生田光一氏に追い風 野党一本化が実現しなかった「特殊事情」

東スポWEB 2024年10月16日 6時6分

15日に公示となった衆院選(27日投開票)には小選挙区と比例代表を合わせて1344人が立候補を届け出た。数ある選挙区の中でも注目度が高いのが東京24区だ。裏金問題を受けて自民党から非公認となった萩生田光一元政調会長に立憲民主党の有田芳生氏ら野党候補が挑む構図となっている。

立憲の野田佳彦代表が衆院選第一声の場に選んだのが東京24区だった。JR八王子駅前でマイクを握った野田氏は「裏金も大きな争点だということを国民にご理解いただき、怒りを共有してもらうためにも裏金大物議員の選挙区を回ろうと思いました」と理由を語った。

立憲のターゲットとされている萩生田氏は政治資金収支報告書への不記載が2728万円もあった。この日、萩生田氏は第一声で謝罪すると同時に「意図して裏金をつくるとか、私的流用はなく、ましてや脱税とかそのような事実は一切ありません」と理解を求めた。

この第一声には井上信治・自民党東京都連会長と有村治子参院議員が駆けつけ、非公認というハンディを感じさせない選挙態勢を見せつけていた。

萩生田氏にとって野党候補の一本化が成立しなかったことはプラス要素だ。東京24区には萩生田氏に対抗する形で、立憲の有田氏、国民民主党の浦川祐輔氏、日本維新の会の佐藤由美氏、参政党の与倉さゆり氏、無所属の畑尻文夫氏が立候補している。

候補者間で一本化の話は浮上しなかったのか。国民の浦川氏に聞くと、「上から一本化の指示が下りてくるかなと思ったら、下りてこなかった。玉木(雄一郎)代表が止めてると聞いたのでありがたい」と話した。また、有田陣営の関係者も「現場レベルでは一本化に向けた接触はなかったです」と明かした。

この選挙区に特有な事情もある。維新の佐藤氏はもともと国民所属で出馬する予定だったが、国民を離党した前原誠司元外相に呼応して自身も離党し、今回は維新公認となっていた。八王子の政界関係者は「国民としては出て行ったのを黙って見ているわけにはいかず、プライドもあって候補者を立てるしかなかったのではないか」とメンツの問題を指摘。国民が候補者を探していたところに浦川氏が収まったわけだ。

どちらも引く理由はなく、立憲も知名度のある有田氏を立てた以上、引くつもりはない。「一本化した方がよかったのはみんな分かっている」(前出の八王子政界関係者)。萩生田氏にとってはニヤリとする展開となっている。

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