パリ五輪・柔道男子66キロ級で金メダルを獲得した阿部一二三(27)が16日、CSファイナルステージ第1戦・ソフトバンク―日本ハム(みずほペイペイ)の試合前始球式に登場した。
マウンドに上がった阿部は一礼した後、投球動作に入るときれいなフォームから思い切り腕を振った。球は見事にストライクゾーンを通り捕手のミットへ。投げ終えると両手を上げ、球場の観客に応えた。
阿部は自身の投球については「すごくいいコースに投げれたので満足してます」と笑顔を見せ、「今日の投球は100点」と話した。
いい結果の裏には過去の後悔があった。始球式は2021年8月13日の巨人―中日(東京ドーム)以来、2度目。前回は「バウンドしたら格好悪いなという気持ちがあった」という思いから置きに行ってしまったという。結果はノーバウンド投球となったが、大きく上に外れ「もう少しできたな」という思いがあった。
この日は「思い切って投げること」をテーマに「ストライクをしっかり狙いに行くよりも、思い切って投げて、悪かったら悪かったで仕方ない」の気持ちで投げたという。それがよい結果につながった。
しかし、球速に関してはまだ満足していない様子。自身の名前になぞらえて123キロを目指したが、結果が87キロだったことがわかると「全然やん」と悔しそうな表情を見せた。「次にやる時は100キロを目指します」と燃えていた。