三浦ベイが鮮やかに2連勝を決めた。DeNAが17日のCSファイナルステージ第2戦(東京ドーム)で巨人に2―1と競り勝ち。下馬評を覆して相手のアドバンテージも含め2勝1敗と勝ち越したのは、チーム一丸で危機を乗り切ろうとする一体感の賜物だ。
チームは左ハムストリング肉離れの東克樹投手(28)に続き、この日も伊藤光捕手(35)が左ふくらはぎ肉離れで登録抹消となった。
この緊急事態に危機感を強めていたのが、第2戦に先発した大貫晋一投手(30)だ。
「東だけじゃなくて、光さんも、ケガをする方が増えてきて、チーム一丸となってカバーすると。そういう中で自分に何ができるかと、本当に全員がそう考えている。彼ら(東、伊藤)が一番試合に出たかったはずだし」
そう口にした6年目右腕は使命感で6回2/3を1失点。そこから坂本、伊勢、前日に右肩コンディション不良でベンチ外となっていた守護神・森原につないで、1点リードを守り切った。その森原も次のように言う。
「投手はみんなメチャメチャがんばってる。一人ひとりの準備もすごいし、結果も出てる。僕より下の子が頑張ってるし、やらないといけないと思う」
奮闘しているのは、先発マスクをかぶってフル出場を果たした戸柱恭孝捕手(34)も同様だ。そして伊藤の代わりに登録された東妻純平捕手(23)は一軍出場が今季の3試合のみ。他に2年目の松尾汐音捕手(20)しかおらず、事実上9年目の戸柱が1人だけでマスクをかぶらなければならない。
「そこはもういない人のことは考えても仕方がない。自分もまだまだ成長できるチャンスだと思って、野球をかみしめて、楽しんで頑張りたい」(戸柱)
そうした選手たちの頑張りを支えているのは、三浦大輔監督(50)のきめ細かなコミュニケーションだ。
「無理して出てもらってる選手もいますよ。そこは毎試合、選手本人に確かめて、トレーナーや担当コーチにも話を聞く。選手生命に関わるようなら無理はさせません。その中で試合に備えてもらう選手もいる。そういう時は、『俺も我慢するからお前も我慢してくれ』と言う時もありますよ」(三浦監督)
果たして番長流マネジメントで日本シリーズ進出権を勝ち取れるか。短期決戦で日を重ねるごとに勢いを増すベイ旋風が第3戦も吹き荒れそうな予感が漂う。