映画「釣りバカ日誌」シリーズなどに主演して活躍した俳優の西田敏行さんが死去したことが17日、わかった。享年76。関係者によると、西田さんは東京・世田谷区の自宅のベッドで冷たくなっており、家族が17日午後0時20分ごろ、119番通報した。病死とみられている。
その存在感は芸能界を離れても大きかった。
2013年、かつて所属していた劇団青年座の稽古場があった下北沢の鈴なり横丁にあるスナック「うちわ」を訪れた時のことだ。
店のスタッフによると、星田英利(旧芸名・ほっしゃん。)と一緒に来た西田さんは「西田敏行で~す。本物ですよ~」と言いながら入店。当時は元気そうで、星田は終始緊張していた様子だったという。
西田さんは上機嫌で北島三郎の演歌などを歌っていたところ「酔っぱらいに『自分の歌を歌って!』と無理なことを言われても、西田さんはにっこりと笑顔。そして『最後に僕、帰りますんで、歌います』って、あの名曲『もしもピアノが弾けたなら』を歌っておられました」(同店スタッフ)
その見事な歌声に店内はシーンと静まり返り、涙を流した人もいたという。
店には西田さんのサインが飾られ、棚にはウイスキーのボトルが。前出スタッフは「後日、ほっしゃん。さんが後輩の方といらっしゃいました。西田さんに『ボトル、飲んでいいぞ』と言われたみたいですよ」と明かした。