ボクシング・スーパーバンタム級４団体統一王者の井上尚弥（３１＝大橋）が２１日、都内のＷＯＷＯＷで行われた「井上尚弥出演！エキサイトマッチＳＰ『井上尚弥ｖｓＴＪ・ドヘニー』「『武居由樹ｖｓ比嘉大吾』」（１１月４日午後９時、ＷＯＷＯＷライブ・ＷＯＷＯＷオンデマンドで放送・配信）の収録で、９月３日のＴＪ・ドヘニー（アイルランド）戦を自ら解説。報道陣の取材では、因縁のある元世界３階級制覇王者ジョンリル・カシメロ（３５＝フィリピン）との対戦について「１００％ない」と断言した。
井上とカシメロは２０２０年４月に対戦することが決まったもののコロナ禍の影響で流れ、その後はカシメロが事あるごとに井上を挑発。１３日に日本で行ったサウル・サンチェス（米国）戦では６００グラム体重超過しながら１ラウンドＴＫＯ勝ちし、ずうずうしく「次は井上尚弥だ」などと言い放った。
だが、その後に日本ボクシングコミッション（ＪＢＣ）から１年間の招へい禁止処分を受け、日本では試合ができない立場。大橋ジムの大橋秀行会長も井上との対戦の可能性について「１００％ない」と発言したことが報じられている。
この日、井上はカシメロについて質問されると「実力はあるんですけどね」と認めながらも「そういうところが、大橋会長的にも（試合を）組めない一つの理由だと思う」と渋い顔。続けて「そこ（試合）は自分が決めるところではない。会長がああいう発言をしたと言うことは、１００％ないですよ」と対戦の可能性を完全否定した。
井上は来年３試合行う希望も明言。フェザー級転向も視界に入っており、問題児との因縁は拳を交えることなく終わりそうだ。