デンマークで10月16~20日に開催された自転車の「2024UCIトラック世界選手権大会」でメダルを獲得した選手たちが22日、帰国会見を行った。
男子チームスプリントではパリ五輪出場メンバーの長迫吉拓(31、チームブリヂストンサイクリング)、太田海也(25、チーム楽天Kドリームス/JPCU岡山)、小原佑太(28、チーム楽天Kドリームス/JPCU青森)が、同種目初となる銅メダルを手にした。太田は男子スプリントでも銅メダル獲得、現状を語った。
「チームスプリントでは個人種目にはない喜びがあるな、と改めて感じた」
世界選での同種目初のメダルを喜びながら、個人種目のスプリントでも銅メダルを手にした。しかし、表情には悔しさがにじむ。
まっすぐ前を見つめ「今の自分の実力では銅メダル決定戦に行けるか行けないのか、で戦っている。その中で銅メダルを獲得できましたが、今回も戦ったハリー・ラブレイセン(オランダ)を倒したいという気持ちがあった」と世界王者の名前を口にすると、眼光は会見場の壁を突き抜けていった。
「この世界選を振り返ると、ラブレイセンを倒したいと強く思ったことが一番。この銅メダルを来年にどうつなげていくかが、それがこの銅メダルの価値だと思っています」
パリ五輪後は「結果が出なかった分、終わってから自転車に乗ることがしんどくなって…」と沈んだ時もあったという。だが「(競輪グレードレースの)オールスター、共同通信社杯を走らせてもらう中で、自転車きついな…って思っている気持ちが、やっぱり自転車に乗ると楽しいな」と自分らしさを徐々に取り戻していったという。
この世界選ももちろんゴール地点ではない。「小松島(25日開幕)、行ってきます! その後は防府記念(11月1日~4日)も!」。走ることにまた飢えてきた顔があった。