全日本22日の後楽園大会で〝暴走男〟こと諏訪魔(47)が自身のデビュー20周年記念試合に臨み、石川修司との名コンビ「暴走大巨人」を復活させた。
記念試合はタッグ戦で鈴木秀樹、近藤修司組と対戦。そのパートナーは「X」とされ行方が注目されていたが、元パートナーの石川が登場し会場は割れんばかりの歓声に包まれた。試合が始まると諏訪魔は現タッグパートナーの鈴木と重いエルボーの打ち合い。さらに場外戦で暴走スイッチが入ると、敵のみならずセコンドでこの日デビューしたばかりの長尾一大心までイスで殴る暴挙に出るなどイキイキした姿を見せつけた。さらにロープにもたれかかった鈴木に石川と連続でラリアートを叩き込む合体技「境川」も披露して大いに会場を沸かせた。
だが終盤、石川とのサンドイッチラリアートを鈴木にかわされ誤爆し孤立。するとセコンドの佐藤光留の呼びかけに呼応した選手たちが次々にリングインし積年の恨み…ではなく感謝を込めたラリアートを叩き込む。そして最後は青木篤志さんのTシャツを着た光留、石川、近藤と連続でラリアートを叩き込まれてから鈴木の人間風車で3カウントを聞いた。
記念試合で敗北した諏訪魔はへとへとだ。しかし会場では20周年記念セレモニーが粛々と始められる。そして鈴木からはTシャツが、近藤からはフィナンシェが、石川からはシップが記念品として贈呈され、渕正信と和田京平レフェリーからは花束が贈呈された。さらに映像を通じて天龍源一郎と武藤敬司からも祝福のコメントが寄せられた。
その後、マイクを持った渕から「彼のこの20年は苦労の連続です。本当に大変だったと思う。諏訪魔が残ってくれたおかげで今の全日本プロレスがあります」との言葉を送られた。続いて諏訪魔は「本当に今日はありがとうございます。20年やってきてすごい、幸せです。渕さん、京平さんが全日本を守ってくれたからだと思っているんで、もっともっと全日本プロレスを盛り上げていきたいと思うので今後ともよろしくお願いします」と話して拍手を浴びた。
コメントスペースでは久々のタッグを結成した石川に「石川修司が全日本に出るって、大事件なんだから。本当に最後まで『ゴメン』って(断られていた)」として感謝を口にする。これに石川からは「大きな貸しなんで、一生をかけて返してもらおうと思います」と応じられるのだった。