自民党から衆院選(27日投開票)に公認がされなかった候補者が代表を務める政党支部に党本部から活動費が支給されていたと一部メディアが報じて大きな波紋を広げている。
政治資金収支報告書に収入を記載していなかった前自民党議員は全部で10人。党から公認されなかったことで無所属から立候補して選挙を戦っている。
そんな中、日本共産党の機関誌「しんぶん赤旗」は23日、非公認となった前自民党議員が代表を務める政党支部に、党本部が公示後、政党交付金として2000万円を支給していたと報じた。
森山裕幹事長はこの報道を受け「党勢拡大のため活動していただきたいという趣旨で支給した」「候補者に渡したものではない」と説明した。
当然、納得できるものではなく、野党幹部たちは相次いで自身のX(旧ツイッター)を更新。立憲民主党の小沢一郎氏は事務所Xに「裏金議員の非公認が、単に表向きの茶番だったことの証拠。全ては選挙目当てのやってるふり。裏では、がっちり支援。全てが絶望的で、国民を完全に馬鹿にしている。それでも、まだこんな自民党を支持しますか?」と呼びかけている。
国民民主党の玉木雄一郎代表は森山氏のコメントを受け「詭弁である。結局、私が党首討論で指摘したとおりのことをやっている。10月15日の公示直前の13日に『党勢拡大のため』として総支部長や県連に支給しても、直前まで支部長や県連幹部だった元議員の選挙活動に使われることになるのは当然だ。公認料を渡したのと同じことだ」と指摘した。
その上で「こんな『ステルス公認』みたいなことをやって自民党には全く反省の姿勢が見えない。政策活動費が『ステルス公認料』に使われているのではないか。こんな国民を欺くようなごまかしの政治は、やはり選挙で変えなくてはならない。自民党には公約の『ルールを守る。』を守ってもらいたい」とした。