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【西武】慶大・清原正吾に〝上位指名〟の可能性 球団は「単独指名」を強調

東スポWEB 2024年10月24日 5時11分

西武が慶大・清原正吾内野手(4年)を「上位指名」する可能性が高まってきた。

「2024年プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」は今日24日午後5時に運命の時を迎えるが、今季、借金42を背負い歴史的最下位に沈んだ西武にとっては「打線の底上げ」が大きなテーマで〝再建ドラフト〟となる。

12球団で唯一〝クリーンアップ不在〟だったが、その成績はチーム打率2割1分2厘、350得点とも12球団ワースト。60本塁打も広島の52本に次ぐワースト2位の貧打ぶり。一にも二にも今ドラフトは近い将来、再建のキーマンとなる野手を補強しないことにはチームの明日は見えてこない。

その重要なドラフトを翌日に控えた23日に西武は都内ホテルで最終の編成会議を行った。来年1月1日付で球団本部長に就任する広池浩司球団副本部長兼編成統括(51)は報道陣に「1位は決めました。公表はしません。理由はしない方がいいと思うからです」と1位の非公表を語り「シミュレーションをしっかりやりましたけど、どういう形で(2巡目以降の指名が)回ってくるか分からない。その場でウチにとって一番いい選手を獲っていく」と続けた。

最下位の西武にとって幸いなのは、今ドラフトではウエーバーとなる2巡目のトップ指名権、つまり全体13番目の指名権をすでに確保しているということ。それを有効活用し13年の森、山川、21年の隅田、佐藤隼のような1位クラスのダブル獲得を再現できるよう入念にシミュレーションが行われたということなのだろう。

そして、その1位候補には「清原正吾」の名前が急浮上している。父親は1985年のドラフト会議で意中の巨人に振られ、涙を流しながら6球団が競合した末、西武が交渉権を引き当てライオンズ在籍11年で329本塁打、915打点をマークしたOB・清原和博氏(57)だ。

広池副本部長は1位競合の場合のくじ引き役を聞かれ「そこは全く考えていません」と断言。「競合になった時に考えるということか」と角度を変えて聞かれると再度「考えていないです、今は」と、くじ引きの可能性を改めて否定した。

同本部長は1週間ほど前にも、くじ引き役の質問を受け「競合するとは限らない」と言っていたように、今回のドラフトで西武が1位を一本釣りする方向性であることは間違いない。

問題は誰を単独指名するかということだ。競合する可能性のある1位候補の中で真っ先に消えるのはすでに広島が1位指名を公言している明大・宗山塁内野手(4年)だ。そして投手の目玉となる関西大の金丸夢斗投手(4年)、青学大の西川史礁外野手(4年)、大商大・渡辺聖弥外野手(4年)といったところも競合の可能性は高く「単独指名」を確信している西武の自信の裏付けにはならない。

そこで清原だ。確かに中学でバレーボール、高校でアメリカンフットボールと野球を6年間離れた時期はあったものの東京六大学の名門で4番を張った現実は無視できない。

今年8月には東京六大学選抜の4番として日本ハムとの二軍戦で左腕・山本晃の内角直球をさばき、エスコンフィールドのレフトポール際に飛び込む本塁打を放ち、非凡な長距離砲としてのDNAを見せつけた。

将来のクリーンアップ育成が急務となっている西武にとって20年のドラフト1位・渡部が伸び悩む中で身長186センチ、体重90キロの清原正吾のサイズ、右の大砲候補としての可能性、そして父親譲りのスター性は何より魅力的。過去に清原フィーバー、松坂フィーバーを経験した球団だから知る注目新人が入団することでチーム全体に波及するメリットも経験値として知っている。

そして、調査の段階では広池副本部長の息子が慶大野球部の2年生右腕として在籍していることも心強い。編成トップという立ち位置ながら、慶大野球部に籍を置く息子の父兄でもあるからだ。自然と親子の会話から清原の性格、人となりを知ることも可能だろう。

また涙のドラフトから39年目にして古巣・西武で親子鷹誕生となった暁には、苦しくも楽しい若手時代を旧若獅子寮で過ごした元同僚の前田俊郎アマチュアチーフスカウト、潮崎哲也スカウトディレクター、同級生の渡辺智男スカウトチーフ補佐が父・和博氏のもとへ挨拶に出向く陣容も固まっている。

特に高校3年春のセンバツで当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだったPL学園の4番・清原を準決勝で3三振に封じ込め、勝利し優勝を果たした伏兵・伊野商のエースだった渡辺智チーフ補佐は来季からファーム投手コーチへの配置転換も決まっている。プロとしての実力がまだ未知数で即戦力とはいいがたい清原正吾にとっては、心強い父親とのパイプ役になりそうだ。

「戦略はもちろんありますが、あえてここは我々として言わないようにしたい。これはもう決意ですね」

2巡目指名までを見通しつつ今回のドラフト戦略について、こう語った広池副本部長が胸に秘めた名前のイニシャルは「K」なのか――。西武の〝再建ドラフト〟が注目される。

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