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【巨人】もうFA戦士に「冷たい」とは言わせない 梶谷隆幸の会見に見えた〝Gブランド〟再構築の思い

東スポWEB 2024年10月24日 5時11分

もうFA戦士に「冷たい」とは言わせない。巨人の梶谷隆幸外野手(36)が23日に引退会見に臨んだ。2020年オフにDeNAから移籍したFA戦士に対し、球団は誠意を持って東京都内のホテルでの会見をセッティング。梶谷の18年間の現役生活に対するリスペクトは当然として、そこには〝巨人ブランド〟再構築への思いがある。

新天地での4年間は度重なるケガとの戦いだった。腰痛や左ヒザ痛に悩まされ、今季出場はわずか6試合。22年オフにはFA戦士としては異例の育成契約まで経験した。

18年間の激闘を終えた梶谷は「先ほど、球団の方からありがたいお話をいただいたんですけど、一度、ちょっと野球から離れたい思いがありまして、その旨を伝えさせていただいたところです」とオファーを断ったことを明かした。「これから、自分がどういう思いで何がしたいかとか、どういうものに向かっていきたいかというのを真剣に考えて次の人生に向かっていきたい」と第二の人生について熟考するという。

梶谷の引退会見を見届けた球団関係者は「ウチのFA選手の辞め方としては、近年ないぐらいしっかりと送り出せた」とうなずいた。

巨人ではここ数年、FA戦士がユニホームを脱ぐ際、華々しさとは無縁だった。大竹寛二軍投手コーチ(41)は2021年に10月に引退。会見は東京ドーム内のサロンで行われた。また同時期に野上亮磨三軍投手コーチ(37)も引退したが、その会見はジャイアンツ球場で粛々と行われた。

21年途中にメジャーから出戻りとなった元FA組の山口俊氏(37)は同年オフに戦力外となったが、現役続行を希望したため引退会見はなし。また井納翔一ジャイアンツアカデミー講師(38)も21年オフに戦力外となると、現役続行を求めてトライアウトに参加。同年12月の引退決断まで時間を要したことで会見はなかった。

昨オフ、巨人はFAを宣言したオリックス・山崎福也(現日本ハム)獲得に名乗りを上げたが失敗。球団関係者は「もうかつての〝巨人ブランド〟はない。FA選手からも『使い捨てにされるのでは?』と思われている」と苦戦の理由を分析する。

この日は同じ88年組の坂本が登壇。さらには菅野、小林、長野、大城卓らナインがサプライズで登場し、梶谷の現役生活をねぎらうとともに新しい門出を祝った。今オフもFA補強を考えている巨人にとって、最後まで選手のケアをする姿勢を示せたことはプラスに働きそうだ。

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