負けた選手に負けた選手は後回し!? ボクシングの大橋ジムは24日、都内で会見を開き、12月24日に東京・有明アリーナで、世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31=大橋)がIBF・WBO同級1位サム・グッドマン(26=オーストラリア)と防衛戦を行うと発表。同ジムの大橋秀行会長は、WBA同級1位ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)が対戦を要求し続けていることについて、井上に敗れたマーロン・タパレス(フィリピン)に敗れていることで「興行ではそこが引っかかる」と指摘した。
2団体の指名挑戦者グッドマン戦は既定路線通り。だが、アフマダリエフ陣営が指名挑戦者であることを理由に法的措置も辞さない構えで対戦を強く主張している。大橋会長は「大変なんですよ。4団体統一すると全部指名試合になってしまう」と指名挑戦者が行列を作っているような状況の難しさを口にした。
アフマダリエフを「一番の強敵だと思う」と認めながらも、23年4月にタパレスに小差の判定で敗れ、そのタパレスが同年12月に井上と対戦し、守備的な戦いの末10回KOで敗れたことに言及。「WBAがやれとさんざん言っているけど、言わせてもらうとタパレスに負けちゃってるじゃないですか。井上から逃げ回って負けたタパレスに負けてるというのは、ボクシングの興行として引っかかるところ」と指摘し、19勝(8KO)無敗のグッドマン戦が妥当とした。
さらに、井上の今後について「来年、再来年、大きな野望があります」と宣言。この試合を突破すれば次戦は来春に米国のラスベガスかニューヨークで行う計画があるという。そして先日には、井上がWBC世界バンタム級王者の中谷潤人(M・T)との対戦に前向きな姿勢を示しており、大橋会長も「日本人選手相手で、本人も僕たちもモチベーションが上がるのは中谷選手」と歓迎した。