異例の連続指名の理由は…。プロ野球のドラフト会議が24日に東京都内で行われ、巨人は外れ1位で石塚裕惺内野手(18=花咲徳栄)、2位・浦田俊輔内野手(22=九産大)、3位・荒巻悠内野手(21=上武大)と立て続けに3人の内野手を指名した。
4球団が競合した金丸夢斗投手(21=関大)を外したことで「内野手ドラフト」に方針転換。水野スカウト部長は「もし外した場合は(石塚に)いこうと決めていました。すぐ来年というわけじゃないですけど、将来的にやってくれる選手かなと評価して。二遊間を厚めにしたいということの現場の意見がありまして、それでいきました」と説明した。阿部監督も「野手の強化というのも必要」と話すと、石塚には「将来的には坂本勇人のようになってほしい」と熱望した。
とはいえ、オフには今季15勝の菅野が海外FAでメジャーに移籍する。リーグ2連覇には先発補強が必須だが、4位・石田充冴投手(18=北星学園大附高)、5位・宮原駿介投手(22=東海大静岡)を指名しただけでは穴を埋めるのは現実的には不可能だ。
球団関係者は「阿部監督は今季、遊撃を務めた門脇の打撃にかなりガッカリしている。坂本を三塁にコンバートして早々にレギュラー確約も、あまりにも打てなさ過ぎた」と明かす。プロ2年目の門脇は今季129試合に出場して打率2割4分3厘、0本塁打、21打点の成績。堅守でチームに貢献したものの打棒は期待に応えられなかった。さらに「菅野の穴はトレードや新外国人で埋めると聞いている」(同)と先発はドラフト以外で補強の道を模索するという。
4年ぶりのリーグVもCSファイナルで敗退した阿部監督は「課題は明確。打てなかった」と言い切った。まずはドラフトで〝ポスト坂本〟候補を多数指名し、将来の常勝チーム構築へ布石を打った格好といえそうだ。