20日に放送されたNHKスペシャル「ジャニー喜多川〝アイドル帝国〟の実像」で、被害者遺族とSMILE―UP.担当者のやりとりが物議を醸している。
番組は故ジャニー喜多川氏の半生を当時の関係者たちが証言するかたちで進行し、一連の問題を改めて検証。なかでも、初代「ジャニーズ」の故中谷良さんの姉・幸子さんがSMILE社の補償本部本部長へ謝罪を求めて電話をかけるシーンが話題となっている。
中谷さんは1989年に〝暴露本〟を通して故ジャニー喜多川氏による性加害を訴えたが、21年に他界。代わりに幸子さんが電話で補償を求めたものの、同社本部長は「誰が何を謝るのかちょっとわからない」「心の底からお詫びはできない」など冷淡な対応に終始した。
実は補償窓口の電話対応をめぐっては、1年前から疑問視されていた。
ある被害者は「会話がなかなかかみ合わないため、カウンセラーや専門知識のある人が電話対応をしてもらえないかと伝えたが、ダメだった。今回、暴露本の著者の遺族の方が不快な思いをしたのは残念。SMILE社に電話が何件もかかってきて大変なのはわかるけど…」と話す。
ただし「暴露本を過去に出版した人の中には、補償額を提示された被害者もいるため、それが理由で補償されないというわけではなさそうだ」(同)とも語った。
SMILE社に事実関係を問い合わせたところ、「弊社は、暴露本の著者に補償をしないという方針は有しておりません。弊社の東山は、中谷良様の姉の幸子様に直接面会の上で、謝罪をさせていただきました。電話で応対した担当者の氏名については、回答を控えさせていただきます」と回答した。