もうメチャクチャだ。MLBのワールドシリーズ(WS)が25日(日本時間26日)にドジャー・スタジアムで開幕した。ドジャースの大谷翔平投手(30)はヤンキースとの43年ぶりのWSに「1番・DH」で先発出場。東西の名門球団によるWSに熱気はムンムン。球場周辺の道路では渋滞が発生し、開場が1時間前倒しされる緊急措置も取られ、グッズショップでも異常事態が起きていた。
大谷が待ち焦がれたWSの舞台は、やはりこれまでの盛り上がりとは別次元だった。しかも、大谷とア・リーグ本塁打王のアーロン・ジャッジ外野手(32)が真っ向から激突する世紀の一戦。第1戦を迎える試合前から混乱が広がった。
まず異変が起きたのはドジャー・スタジアムに通じる道路だ。開場4~5時間前から球場を目指すファンの車が列をなして渋滞。その車列は最寄りの高速道路にまで伸び、平時であれば5分程度で移動できる距離に実に40分以上を要した。そのため、球場側は開場時間を1時間早める措置を取って混雑緩和に努めた。
そして、開門した直後にファンたちが急ぎ足で直行したのがグッズショップだ。売店には大谷はもちろんWS限定の商品が並び、店内は大混雑。瞬く間に長蛇の列が生まれ、中には1時間以上も並ぶファンも少なくなかった。
グッズを買い求めたのはファンだけではない。球場で働く従業員たちも欲しい気持ちは同じだ。開門した後にわざわざ休憩時間を取り、自分たちもショップへ急行。「記念だから」と店内で球場スタッフが行列を作る“珍光景”まで繰り広げられた。
歴史的なWSに合わせ、この日からMLBも限定グッズの販売を開始した。大谷とジャッジが競演した首振り人形だ。大谷はホーム、ジャッジはビジターのユニホームを着用し、バットを振り抜いている。「これを手にすれば、この先何年もこのシリーズを忘れることはないだろう」との説明を添え、価格は「159ドル99セント(約2万4000円)」と高額でMLB公式通販サイトで売り出した。
もちろん、注目のWSを追いかけるメディアも各国から大挙して押し寄せている。試合前の練習中には一塁側から三塁側まで設けられた取材エリアに報道陣がビッシリ。バックヤードの通路ではお互いをよけながら歩く状態となった。飛び交う言語も英語や日本語、スペイン語…と多岐にわたり、その数は400人以上に上るとみられる。通常のドジャースの試合では日米メディアを中心とする50人程度。実に8倍を超える模様で、今回のWSへの注目の高さをうかがえる現象となっている。
何から何まで異例ずくめとなった大谷初のWS。その熱はまだまだ高まりそうだ。