故ジャニー喜多川氏の性加害問題を扱った20日放送のNHKスペシャル「ジャニー喜多川〝アイドル帝国〟の実像」が波紋を広げている。
最大の見どころはジャニーズ事務所の由来となった初代「ジャニーズ」の故中谷良さんの姉・幸子さんが「SMILE―UP.」に電話する場面だ。幸子さんいわく、最初に電話した際、同社の担当者は「ジャニーが悪いんです」と平謝りだったそうだが、中谷さんが1989年にジャニー氏の性加害を記した「ジャニーズの逆襲」を出版していたことを知ると、態度が一変。「お金はいいので、謝罪を」と求める幸子さんに、SMILE社の補償本部本部長は「誰が何を謝るんだというのがちょっとわからなくて。その本人たちが死んじゃってるんで…」と言ってのけた。
東山紀之の謝罪を求めても、本部長は「東山は別に加害者じゃないですからね」とまるで人ごと。後日、東山は幸子さんと面会し、ジャニー氏の性加害を謝罪したそうだが、本部長の〝冷淡対応〟は批判の的となった。
これを受け、SMILE社は25日、公式ホームページで当該本部長の解任を発表。「新体制の下に、あらためて被害にあわれた方々に寄り添っていくという決意を胸に、被害救済に最後まで全力を尽くして取り組んでまいります」と決意を記した。
ネット上ではギリギリを攻めたNHKスペシャルに「よくやった」と称賛の声が殺到。とはいえ、安易にベタボメするだけで良いのだろうか?
「ジャニーズを増長させたのはNHKを含むメディア側の責任もある。どちらかが悪で、どちらかが善ということはない。NHKを過剰にヨイショするのは違うと思う」とはテレビ関係者。
NHKは16日、「STARTO ENTERTAINMENT」所属のタレントへの出演依頼を解禁すると発表した。
元放送作家の長谷川良品氏は26日までに更新したユーチューブ動画でこの件に言及。NHKスペシャルについて一定の評価はしつつも「自局への批判を逸らすスケープゴートにしている。自局に火の粉がふりかからないための目くらまし。印象操作にすぎない。NHKも共犯関係」とブッタ斬った。
続けて「NHKの上層部はメリットがあると考えて放送している。旧ジャニーズにとって厳しい内容だからこそ、NHKの方針転換の免罪符。ガス抜きに利用された。旧ジャニーズタレントの解禁の大いなる言い訳にすぎず『ミソギは済ませた』というシグナルだ」と指摘している。