健診の前は酒を飲むのを控える。
世の中、こういう酒飲みが大半ではないだろうか。無論、私も同じだ。親しいドクターによると、これは「意味がない」と言う。普段通りの生活をして健診を受けることで、正確な結果が出て、何をどう注意したらいいかが分かるからだ。
いや、それでもやっぱり「要再検査」という文字を見たくない。それ故に健診前は節制してしまう。節制してすぐに数字に表れるのが、酒飲みの指標となるγ―GTP。広告代理店で営業職をしている友人は、γ―GTPが200IU/L(基準値 男性50IU/L、女性30IU/L)もあり、再検査となった。さすがに「これはまずい」と思い、1か月ほど禁酒をして検査した結果、25IU/Lまで下がった。
また大手飲食店グループの友人は健診前日に脂ギトギトのホルモン焼きをビールとともに食べ、中性脂肪が異常値と言われる500㎎/dl(基準値30~149㎎/dl)以上を叩き出し、即再検査に。中性脂肪の値は食事の影響を非常に受けやすい。異常値を出したくなければ、最低でも検査前10時間前、できれば3日くらい前から脂質たっぷりの食事は避けた方が無難である。
健診と言えば、一昨年の血液検査で血糖値の数値が基準値ギリギリの98㎎/dl(基準値100㎎/dl未満)だった。このコラムでも何度か書いているが、母は重篤の糖尿病家系の出。私はその血を引いているので、結果を見て青ざめてしまった。色々調べる中、甘いもののとり過ぎ他、朝食を食べないことも血糖値に悪影響を与えていることが分かった。
欠食は血糖値を急上昇させ、健康リスクを損なうという。以降、バナナとゆで卵の軽い朝食をとるように心がけた。半年後の健診で血糖値は62㎎/dlまで下がっていた。昼にドカ食いすることもなくなり、体重も2㎏減り、美人の保健師から褒められるまでに。「これでもう安心して飲める」と勢いづいて飲みたいところだが、これを維持しなくては一生健康で酒を飲み続けることはできない。厄介と思うかもしれないが、意識し続けるためにも、年に一度は健診を受けるようにしよう。