ギザの大ピラミッドの頂上でうろつく犬が14日に撮影され、SNSでは〝アヌビスの子犬〟と話題になった。犬がどうやって1個最低50センチの高さの石を登って、約150メートルを登頂したのかが謎だったが、16日には一気に駆け降りる動画が投稿され、簡単に降りられるということは、登ることもできるであろうことが推測できた。そして、なぜ高いところが平気か、なぜ登るのかも判明したようだ。米紙ワシントン・ポストが先日、報じた。
同紙によると、動物保護団体「アメリカ・カイロ・アニマル・レスキュー・ファンデーション」共同創設者のイブラヒム・エルベンダリー氏は、頂上にいる犬の動画を見て、すぐに〝アポロ〟だと認識したという。
三大ピラミッドの周辺には数百頭の野良犬が生息している。推定3歳のアポロは、兄弟やその他の犬と数十頭の群れを作っているが、それらのピラミッドに登るのは8頭だけだという。
エルベンダリー氏によると、「クフ王のピラミッド」に次ぎ2番目の大きさの「カフラー王のピラミッド」の頂上で、ライカという母犬がアポロらを出産したという。「おそらくそこが出産するのに安全な場所だったからだろう」とエルベンダリー氏は話している。
そして、ライカおよびアポロたちは、ピラミッドを住みかとし、自由に登り降りするようになった。頂上に登る理由については「カラスに忍び寄り、空中に飛び上がって捕まえるため」だという。
エルベンダリー氏がワクチン接種のため、アポロを捕獲しようと試みても、すぐにピラミッドの頂上まで駆け上がるので、成功したことがないという。
また、ピラミッドの中腹をうろつく3頭の犬の動画がXなどSNSで拡散している。アポロ一族かもしれない。