テレビ各局が27日午前に放送した5つの報道・情報番組では、衆院選(同日投開票)をめぐる取り扱いがはっきりと分かれた。2つの番組は取り上げたが、3つの番組はスルー。特にタレントの和田アキ子のTBS系「アッコにおまかせ!」は7月の都知事選で誤情報を紹介しただけでなく、準備不足を露呈しただけに自重した形だ。
開票前の午前に放送された番組では、TBS系「サンデーモーニング」がトップニュースで10分超伝えた。テレビ朝日系「グッド!モーニング」もトップニュースではなかったものの取り上げた。これに対し、TBS系「サンデージャポン」「アッコにおまかせ!」、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」はスルーした。
衆院選の投開票日でも放送法第4条「政治的に公平であること」を守れば番組で取り上げることに問題なく、政治的な公平を考慮してあえて取り上げないこともある。
テレビ界でザワついたのは、やはり「おまかせ」だった。同番組は、東京都知事選の投開票日当日だった7月7日放送で投票方法について誤った情報を紹介し、謝罪に追い込まれた。
他にも準備不足を露呈する場面があり、局内で問題視されていた。
都知事選1週間前の6月30日放送で、NHKから国民を守る党の選挙ポスター掲示場ジャック騒動を取り上げた。都内1万4000か所あった掲示場のうち、1口2万5000円寄付すれば寄付者が1か所選び、自身作製のポスターを掲出できるとして波紋を呼んだ取り組みだった。
これについてタレントの勝俣州和は「(寄付者たちは掲示場の)空いているところに全部張っているんですか?」と質問したが、和田やTBSの宇内梨沙アナら出演者はこれに答えず、番組は進行した。
掲示板は1~48番あり、候補者48人分が掲出できた。NHK党は24人を擁立していた。TBS局員の話。
「NHK党は掲示板1か所につき、割り当てられた番号(25~48番)に寄付者は掲出できると発表していたので、勝俣さんの質問に対する答えは『空いているところに全部張っているわけではない、もしくは規定で張れない』になります。事前に取材、確認、打ち合わせをしていれば勝俣さんの質問に答えられたり、台本に組み込んだりできたはず。にもかかわらず、番組内で質問を投げかけながら、答えを出さなかったんです」
ここが準備不足と指摘された部分だった。
「局内で問題視されただけに、衆院選の投開票日当日の放送でも取り上げないでほしいといった声が局内で多かったのです」(前出局員)
来年10月で放送40周年を迎える老舗番組なのだが…。