れいわ新選組は27日投開票された衆院選で、公示前の3議席から9議席と3倍増。参院の5議席と合わせて、二ケタ議席となった。〝永田町の野良犬〟こと山本太郎代表率いる勢力がさらに独自路線を突き進むことになる。
小選挙区で勝ち上がった議員はいなかったが、比例で9議席を獲得した。櫛渕万里、大石晃子両共同代表、多ケ谷亮国対委員長が比例復活で再選し、浪人中だった高井崇志幹事長、タレントの八幡愛氏らが当選した。
選挙前は嵐の予感だった。2019年の参院選で国政政党になってから、21年衆院選、22年参院選と山本氏が連続で立候補し、一枚看板として議席を伸ばしてきたが、今回は参院議員を辞職してのくら替えは封印。35人を擁立し、党首として全国を応援行脚する予定だったが、公示直前にアナフィラキシーに見舞われ、緊急入院した。
「発疹が体中に広がって、かゆみを伴って、一時は呼吸ができなくなりそうなほどの症状だったそうです。選挙ができなくなる最悪の事態も想定されたが、点滴を打って、幸いにも回復した。以前にも発症したことがあるので、ギリギリの中での選挙戦だったのでは」(関係者)
2日目から街頭演説で全国を応援行脚したが、蓄積ダメージは大きかった。この日、山本氏は開票センターに姿を現すも、体調不良でテレビ局との中継はキャンセル。「年々、きつくなりますね。それを考えると、高齢の先輩方が70、80歳になっても選挙に出て、訴え続けているのは本当に化け物」と苦笑いした。
自民が退潮し、立憲が躍進する見通しに「自公で数減らしたって、その方向性はほとんど変わらないような人たちが数を増やしている。ある意味、第2自民党、第3自民党」と立憲や維新、国民民主党に敵意をむき出しにした。
野党間でも無視できない存在となり、与野党は手を焼くことになりそうだ。