27日投開票の衆院選に東京24区から無所属で立候補した萩生田光一氏が立憲民主党の有田芳生氏に競り勝ち、薄氷の勝利を手にした。
27日深夜に当選確実の一報が伝わると八王子市の事務所に集まった支持者から大歓声が上がった。マイクを握った萩生田氏は「やらなくてはならないことがたくさんあります。一つひとつ皆さんと約束したことを実現して『やっぱり萩生田だった』。そう言っていただけるように努力させていただくことをお誓い申し上げます」と決意した。
萩生田氏は旧安倍派を支えた「5人衆」の1人で、裏金問題をめぐり党から処分を受け非公認となった。さらに選挙戦終盤には、非公認となった8人の候補の政党支部に「党勢拡大のための活動費」の名目で2000万円が一律振り込まれていたことが報じられ、さらなる逆風にも見舞われた。
なんとかギリギリで当選した萩生田氏に笑顔はなかった。その理由について「多くの同志が残念ながら議席を失っていますので心苦しく思います」と語った。
世間からの風当たりは強かったが、選挙戦では自民党非公認でありながら安倍晋三元首相の妻・昭恵夫人、高市早苗前経済安保相、松井一郎前大阪市長が応援に駆け付けるなど、その豊富な人脈を見せつけた。
「もともとアニキ的な性格で面倒見の良さは有名です。今回の選挙で人望のない石破首相に人脈の広さを見せつけた格好です。旧安倍派潰しの怨念もありますし、石破降ろしの急先鋒になるのではないでしょうか」(永田町関係者)
自公が過半数割れし、今後は石破降ろしが活発化することは避けられない。自民党は裏金事件の非公認前職の追加公認は不透明だが、今も大きな影響力を持つ萩生田氏の動向が注目されている。