【東スポ音楽館】 演歌歌手の松原健之(まつばら・たけし)が、今月リリースしたシングルが「金沢望郷歌 2024(アンコール盤)」(作詞・五木寛之/作曲・弦哲也)だ。今年1月1日に起きた能登半島地震で、6月に松原が「ささやかな応援になれば」と考えてセルフカバーした作品で、今回はカップリング曲を変えてのアンコール盤となっている。
――2005年のデビュー曲「金沢望郷歌」をセルフカバーした
松原「デビューのときには石川県をはじめ能登の方にも応援してもらいました。その恩返しではないですが、もう一度、石川や能登の方に寄り添って、ささやかな応援になればとセルフカバーしました。タイトルの『2024』は弦先生の発案です。地震を忘れないために年号を入れようとなりました」
――被災地には行かれましたか
松原「6月に珠洲と輪島に、弦先生と行かせていただきました。仮設住宅の前で小さなテントを建てて、弦先生のギターでミニライブを開かせていただきました。本当に喜んでいただきました」
――2005年に「金沢望郷歌」が出来上がった経緯は
松原「歌詞の中に『犀川(さいがわ)』という川の名前が出てくるのですが、地元の方から『この川を題材にした曲を書いてほしい』と五木先生が頼まれて出来上がった作品です。もともと金沢の町にプレゼントをする予定だったのですが、2004年に地元のコンサートで最初にこの曲を歌ったのがデビュー前の私でした。五木先生がデビューできるかわからないが、この曲とミカン箱を持って石川県中を回ったらどうかと提案されて、9か月間ずっと回ってデビューできた楽曲です」
――歌詞には兼六園や香林坊といった観光名所も出てくる
松原「五木先生も金沢のガイドブックのような歌になればと考えていたようですし、私自身もそういう観光名所は何度も行かせていただきました。デビューの時だけでなく、何度も石川県に来ていますが、本当に地元の方には良くしていただき、お世話になりました」
――だからこそ恩返しをという思いも強い
松原「そうですね。だから、今はコンサートやキャンペーンで義援金の箱を置かせていただいて、県を通じて少しでもお役に立てればと義援金を送らせていただきたいと思います。9月に豪雨被害もあったので、なかなか現地に行くことはできませんが、歌で寄り添うことができればと考えています」