原点回帰できたのは、あの人のひと言――。巨人はリーグ優勝を果たしながら、DeNAとのCSファイナルステージで敗退。その中でオコエ瑠偉外野手(27)は悔しさを抱えながらも、同時に手応えも感じたという。
「シーズンの成績は2割6分1厘とかだったんですけど、前半が2割3分で後半は多分3割近く出た。打ち方も前半と後半で違ったし、後半の打ち方で逆方向もセンター方向もいい感じに打ててたので、(打)率も残ってるし、長打も出てるので、今後もこれを継続していきたい」と真剣な表情で語った。
確かにシーズン後半の打率は8月が2割5分、9月も3割1分4厘と右肩上がり。9月7日のDeNA戦(東京ドーム)では、2―2で迎えた延長12回に二死走者なしから左中間に今季2号となるサヨナラ弾を放つなどリーグVへ貢献した。この後半からの〝急成長〟を後押ししたきっかけは、二岡智宏ヘッドコーチ(48)に掛けられた言葉にあったという。
「二岡さんのひと言ですね。前半終わって(二軍に)落ちる時に『どうしたお前、去年の方が全然打球飛んでるやろ』って言われました」
6月までは右打ちを意識し過ぎたあまり、思うような打撃をできなかった。そんな中、二軍監督時代からずっと自分を見守ってきてくれた二岡ヘッドの言葉に突き動かされ「変える覚悟」を決めた。
「去年は(3割6厘と)すごい状態が良くて。(去年の打撃を)2か月半やったことで後半戦では数字も打率もどんどん上がっていって、ホームランも出始めて、しっかり結果が出ました」と笑顔で語った。
さまざまな経験を糧にプロ10年目となる来季、さらなる飛躍を目指す。