元お笑い芸人が日本を飛び出し、タイ・バンコクで開業したラーメン店が、このたびタイ版ミシュランガイドに掲載される快挙を成し遂げた! その元芸人とは井上虫歯二本(45)。かつて吉本興業に所属し、お笑い芸人として活動していたという。今回はオンラインで取材に応じ、快挙について熱く語った。
ラーメン激戦区のバンコクで予約が取れないと言われる店が、井上が経営する「No Name Noodle Bangkok」。直訳すると「名前のないラーメン屋」だ。おいしいラーメン以外は店名も看板も何もいらないということで、この名前になったという。
2021年にオープンした同店がこのほど快挙を達成した。今年12月に発売される「タイ版ミシュランガイド」にNewセレクションの一店として掲載されることが決定したのだ。Newセレクションとは、ミシュランが最近つくったカテゴリー。井上は「Newセレクションとは、次回、星なのか、その下のビブグルマン(価格以上の満足が得られる料理)なのか、それとも掲載だけか。振り分けされる対象に入りましたよ、と。そういう位置になって掲載されるということ」と説明した。
もちろんミシュランに掲載されることは快挙だ。
「日本人のラーメン店がミシュランに載ったことはタイ史上初なので、こちらのメディアにも取り上げてもらいました」
タイに来た当時は「ミシュランに載るのは200%ムリ」と言われたという。「日本のラーメンでタイの食事じゃないし、タイの食材を使ってるわけでもないから。でも、時代が変わったのか、ここまで行くことができたので。日本のラーメン界としても大きな一歩だと思ってます」
ミシュランに掲載されること自体が快挙だが、地元メディアの興味を引いたのは元芸人という井上の経歴だ。
井上は2008年に吉本の養成所・NSC東京校に14期生として入学。同期にはEXITのりんたろー。や相席スタートの山添寛などがいる。また、師匠はお笑いトリオ・パンサーの尾形貴弘で、〝パンサー尾形軍団〟の一員でもある
「井上虫歯二本という芸名も尾形さんが付けたもの。実際には虫歯は1本もないんですが(笑い)。こちらのメディアには『ラーメン屋の師匠がパンサー尾形という芸人』ということが面白かったみたいです」
ミシュラン掲載については、もちろん尾形も喜んだという。「一番初めに連絡したら、ものすごく喜んでくれました。今回、取材を受けるので『尾形さんの名前、出させてもらいます』と伝えたら、『お前、そんなの絶対出すなよ、出すなよ…。絶対出せよ!』と(笑い)」
お笑い芸人になれば、目標の一つが「M-1グランプリ」だが、「M-1のMは漫才だけじゃない。僕の中ではミシュランのM。これからも精進してビブグルマンや星を取れるようになりたい」と夢は広がる。
ちなみに尾形軍団は賞レースにも強いそうで「M―1を取ったトレンディエンジェルのたかしさん、キングオブコントを取ったサルゴリラの赤羽健壱さん。あと昨年の『THE SECOND』で決勝に行った囲碁将棋の根建太一さんも尾形軍団です」。
今はタイでラーメン店に専念しているため、日本のニュースは「ほとんど知らない」という。吉本の先輩であるダウンタウンの松本人志の活動休止については「最初のころは聞きましたが、いまどうなってるのか分からない」。また元「ジャングルポケット」斉藤慎二の契約解除についても「こないだお客さんが言ってました」と話していた。