人種差別だ。フランスフットボール誌が選定する世界最優秀選手賞「バロンドール」が28日(日本時間29日)に発表され、スペイン代表MFロドリ(28=マンチェスター・シティー)が受賞し、有力視されたブラジル代表FWビニシウス(24=レアル・マドリード)は2位だった。
Rマドリード勢は事前にビニシウスの落選が判明した時点で表彰式への参加を〝ボイコット〟。約50人の選手やスタッフがチャーター機でイベントが開催されるパリに向かう予定だったが、キャンセルしたという。王者の行動に各メディアは「大人げない」「敬意を欠く行動では」「レアルのドラマは恥ずかしい」などと報じていた。
その一方で、スペインメディア「RELEVO」はブラジル女子代表FWルドミラ・ダシルバ(29=シカゴ)が同胞のビニシウスが選出されなかったことについて「黒人ですから、2倍うまくなければならない」とした上で「どうして2倍でなければならないのかと考えた。奴隷制度のせいで、偏見のせいで、歴史のせいで…」と言及。同メディアは「バロンドールを与えられなかったのは人種差別的な理由があったと、言葉で明確にした」と報じた。
さらにブラジル女子のレジェンドで「史上最高の女子選手」と呼ばれるMFマルタ(38=オーランド)は、激怒する自身の動画を公開し「私はビニシウスが最高の選手として当然の評価を受けるのを1年中待っていたが、いまになってバロンドールを与えないことがわかった。それは何のバロンドールですか」と疑問視した。
Rマドリードで同僚のフランス代表MFエドアルド・カマビンカ(21)は自身のSNSを更新し「サッカー界の政治にはノーだ。兄弟、あなたは最高の選手だ」と指摘していた。