女優の高石あかり（２１）がＮＨＫの２０２５年度後期連続テレビ小説「ばけばけ」のヒロインに決定した。２９日、ＮＨＫ大阪放送局で行われた会見で発表された。
同ドラマは松江（島根）の没落士族の娘・小泉セツをモデルにした作品。外国人の夫・ラフカディオ・ハーン（小泉八雲）と共に「怪談」を愛し、西洋化が進む明治時代の日本人の代弁者として語り紡ぐ夫婦の物語だ。
高石が女郎花（薄いクリーム）色に花水木と忘れな草が描かれた華やかな着物姿でステージに登場すると、スタジオに詰めかけたＮＨＫ職員が拍手で出迎えた。
それを見た高石は「自分は小さな頃から朝ドラヒロインになるのが夢で、今回『ばけばけ』のオーディションを通して、ヒロインになりたいということと同じように、大阪のスタッフのみなさんとどうしてもお仕事がしたいという気持ちが強くて…。みなさんの温かい表情に胸がいっぱいになりました」と感動の涙をこぼした。
ＭＣを務めた小山径アナウンサーに「高石さんは涙もろいと私も聞いていたんですけど、まさか涙での登場になるとは思いませんでした」と声をかけられると、「泣かない人ではあるはずなんですけど。私、涙もろいんですかね」と話した。同席した脚本家のふじきみつ彦氏は「朝からずっと我慢してたね。顔合わせの時も、もう泣きそうになってた」と言い、スタジオはアットホームな空気に包まれていた。
３度目のオーディションでヒロイン・松野トキ役をつかみ取った高石は「自分がなれるはずがないと今回は思おう、と思って挑んでいた。まさかこうしてご縁があるとは、本当にうれしいです。ハーンに対する愛情や思いやりを繊細に大切に演じていきたい」と意気込みを語った。