京王閣競輪の大阪・関西万博協賛GⅢ「開設75周年記念 ゴールドカップレース」は29日、最終日を行い、12R決勝は単騎で臨んだ犬伏湧也(29=徳島)が制した。GⅢ優勝は7月小松島以来で通算3度目。
冷たい雨がバンクにしとしと降る中で最後方から勝負の時を待った。「真杉(匠)のペースが上がっていたのでラスト1周は仕掛けられる感じじゃなかった」と不安に思う一方で「ゴール前で踏める脚を残しておこう」と冷静に流れを見極めた。
最終バック付近から中団の古性優作が動き、新山響平はその外を行った。最終3角9番手。絶体絶命のピンチから「新山さんが仕掛けてくれて、それを目がけて行った」。前を走る新田祐大の後輪だけ見て4角を乗り越え、下りで末脚を爆発させて大外から8人のライバルを一気にのみ込んだ。
雨の中で応援してくれたファンの前で「これだけ濃いメンバーの中で優勝できて自信になる」と素直に勝利を喜んだ。しかし、本当の戦いはまだ先にある。「まだまだグランプリは諦めていないので競輪祭で挽回したい」。その目の中はメラメラと炎が揺れていた。