東西の名門同士による米大リーグのワールドシリーズ(WS)はドジャースが3連勝してヤンキースに王手をかけたが、一方で米国民の大きな関心事となっているのは、11月5日(日本時間6日)投開票の大統領選挙だ。民主党の副大統領のハリス氏と共和党のトランプ前大統領が激しい競り合いを展開し、残り1週間を切って激戦州での熾烈なアピール合戦が行われている。
カリフォルニア州出身のハリス氏はネイビーブルーのスーツを着こなし、先日にメディアで「夫とドジャースを応援している」と公言。一方、ニューヨーク州出身のトランプ氏は先代オーナーのジョージ・スタインブレー氏と仲が良く、長年のヤンキースファンでもあった。財界の大物でもある両者は互いを尊敬し、トランプ氏は何度もスタジアムを訪れてともに観戦。「次期オーナーになるのでは」との噂も流れた。
しかし、スタインブレナー氏の死去後は距離を置くようになった。過激な発言が目立つことでスタンドに〝反トランプ〟の横断幕が出されたり、大統領時代の2020年にはスタジアムでの始球式を発表しながら、数日後に撤回。今夏には北朝鮮最高指導者の金正恩氏の「ヤンキース戦招待計画」などをぶち上げるなど波紋を広げていた。
米メディア「C&E」は「ドジャースとヤンキースのファン層は大部分が民主党を支持している」とした上で「野球ファンは投票率が高い。前回のバイデンはロサンゼルス群で71%を獲得した」と伝えている。
ちなみに近年では、1996年にヤンキース優勝後に行われた大統領で民主党のクリントン氏が当選、2000年のヤンキース優勝後が共和党のブッシュ氏、20年のドジャース優勝後は民主党のバイデン氏となっている。