阪神・藤川球児監督(44)が〝秋の規格外アーチ〟を佐藤輝明内野手(25)に厳命した。
チームは11月1日から新指揮官の故郷でもある高知県で秋季安芸キャンプを行う。藤川監督の意向もあり、これまで一軍とは縁が少なかった若手選手に加え、佐藤輝、中野らの主力勢も多数参加する予定で、例年にない盛り上がりが予想されている。
目玉は多くの虎党が足を運ぶとみられる週末に合わせて積極的に行われる紅白戦などの実戦練習。29日に甲子園球場で行われた秋季練習中にも「球団からも実戦の開催については背中を押してもらえましたからね。ありがたいですよ」と白い歯をのぞかせていた。
故郷に錦を飾るべく「大フィーバーを起こしたい」と鼻息を荒くする若き虎将だが、キャンプの主役はあくまでも選手たちであることは重々心得ている。
「お客さんは僕を見に来るわけじゃないですからね。やっぱり佐藤輝ですよ。普段、生でプロ野球を見ることができない地方の子供たちに大きい選手の大きいホームランを見せてあげたい。中野もいますしね。去年の日本一選手たちなんですから」。子供たちの心をわしづかみできるだけの〝説得力〟あふれるプレーを届けることができるのは、やはり虎の規格外男しかいないと期待を寄せている。
底知れぬポテンシャルへの期待値が高いことから入団以降、周囲から何かと強い〝風当たり〟にさらされてきた佐藤輝。だが、藤川新監督は「二軍の選手とは背負っているものが違う」とこれまでの実績を評価した上で「周囲に姿勢を見せていけ」と新たなチームリーダーとしての自覚を持つよう、背番号8に促している。新指揮官の期待に応えるべくまずは秋空にアーチを、さらに1年後の秋には歓喜の胴上げをプレゼントしたい。