衆院選で大敗を喫した自民党の石破茂首相に対し、「責任を取れ!」との大合唱が巻き起こっている。一部は特別国会(11日召集予定)での首相指名選挙での造反までちらつかせる事態だ。石破首相は〝いびり〟に耐えられるのか。
衆院選で自民党は公示前から56議席減らし、自公でも過半数割れした。石破首相は続投を宣言したが、党内のあちこちから「歴史的大敗で責任を取らないとは何事か」「小泉進次郎選対委員長は辞表を提出したのに総裁が居座るとはあり得ない」と次々と石破首相への責任論を問う声が上がった。
「石破首相を公然と追及しているのは、主に旧安倍派や高市早苗氏の支持派からです。旧安倍派はすでに党内処分が出ていた裏金問題で、非公認や比例重複禁止の措置が取られたことに怒り心頭でした。さらに追い打ちをかける2000万円支給で息の根を止められたともいえ、黙っているハズがありません」(党関係者)
自民党は国民民主党との連立を模索しているが、玉木雄一郎代表は否定し、あくまで政策ごとでの部分連合にとどまる見通しを示している。ただ首相指名選挙で上位2人による決選投票となれば、野党側は一枚岩となっていないため石破首相が押し切る公算だ。それでも「石破の名前を書けない!」と造反者が出るようなことになれば、先行きは一気に不透明になる。
「党内で石破首相の責任を問う声は続くでしょう。ただ、旧安倍派は3分の1の20人にまで激減し、高市氏が応援した40人中、当選したのは16人しかいないので絶対数が少ない。首相への党内批判はメディアも扱うので声は大きくなるが、旧民主党のように党を割ってまでの内ゲバにまで発展することはないでしょう」(同)
石破首相は麻生政権の時に閣僚ながら公然と麻生おろしを叫び、安倍元首相にも責任を問うなどして、「後ろから弾を撃つ男」と言われたが、まさに自身が同じ境遇に立たされることになったのは皮肉なもの。
「いま辞めるようなことがあれば、戦後最短内閣の汚名となるだけに簡単に引き下がることはない。石破首相は全く批判に動じない〝メンタルおばけ〟ですから」(議員秘書)。党内いびりに屈して、サジを投げることはないとの見方だが…。