27日投開票の衆院選で話題となっていたのがオートコール(自動音声)による選挙活動だ。事前に候補者へ投票を呼び掛ける音声を録音して、ランダムで電話をして流すやり方に規制を求める声が上がっている。
選挙中にある動画がSNSで拡散された。電話から音声が流れる動画で、小池百合子東京都知事が東京7区から出馬した丸川珠代氏への投票を呼び掛ける内容だった。ともに兵庫県生まれでメディア出身だとし、「妹分ともいえる丸川珠代さん」とアピールしていた。
いきなり小池氏の声が流れると本人かと勘違いしてしまいそうだが、こうしたオートコールによる電話作戦は多くの選挙区で報告例がある。公選法上問題ないが、ランダムにかけるので会社の電話にかかってきて迷惑だったというケースもあり、やり過ぎは逆効果になり得る。
ただ支援を呼びかけるだけならまだしも、中傷に使われていた疑惑もある。自民党の鈴木馨祐氏はオートコールで虚偽情報を流されて選挙運動を妨害されたとして公選法違反(虚偽事項公表)の容疑で刑事告訴したとX(旧ツイッター)で明かしている。鈴木氏は裏金問題に関係ないのに裏金が発覚したという趣旨のオートコールが選挙区内で確認されていた。
こうなると今のままでいいはずがない。選挙に詳しい弁護士は「これは規制を考えないといけない。公選法の改正が必要でしょう」と話した。
「法的には応援の一環でやることはできるとなっている。しかし、候補者への投票呼びかけではなく、候補者のネガティブ情報を拡散していたというなら問題だ」と指摘。続けて、「オートコールが有力な選挙の手段になると、表に出ない形の自動音声で選挙の情勢が影響されてしまうことになる。それはいかがなものか。今後、真剣に対応を考えるべきだ」と訴えた。