ドジャースの大谷翔平投手(30)は29日(日本時間30日)に敵地ニューヨークでのヤンキースとのワールドシリーズ(WS)第4戦に先発出場し、5回に3試合ぶりの安打を中前に放ち、4打数1安打だった。チームは4―11で大敗し、通算成績は3勝1敗。悲願の世界一は第5戦以降へ持ち越しとなった。
3連勝で王手をかけて迎えた第4戦。相手先発は今季15勝の右腕ヒルだ。初回先頭はフルカウントからの6球目、真ん中高めの87・5マイル(約141キロ)のスライダーを打ち損じて遊飛に倒れた。しかし、ベッツが右翼線二塁打で出塁すると3番フリーマンが右翼へ初戦から4試合連続の弾丸ライナーの4号2ラン。ブレーブス時代の2021年からWS新記録の6試合連続弾となった。
2―1の3回先頭は1ボールから内角低めの86・6マイル(約139キロ)のスライダーを角度30度、打球速度102マイル(約164キロ)で中堅へ高々と打ち上げると悲鳴が上がったが、伸びを欠き、ジャッジのグラブに収まった。
3―5の5回無死一塁は2番手の左腕ヒルの初球、内角低めの88・9マイル(約143キロ)のシンカーを捉え、打球速度103・8マイル(約167キロ)のライナーで中前に運んだ。一死一、三塁でフリーマンの二ゴロが併殺崩れとなり、4―5とした。
4―6の7回一死一塁は4番手の右腕ライターと対戦。4球目にエドマンが二盗に成功したが、フルカウントからの7球目、外角低めの85・7マイル(約138キロ)のスプリットにバットは空を切った。
4番手のハニーウェルが8回にトーレスに3ランを被弾するなど5失点して勝敗は決した。ヤンキースに勢いが付きそうな展開だったが、ロバーツ監督は織り込み済みだろう。しかも、ブルペンデーにかかわらず4人の継投で済んだことでダメージは少ない。
WSで初戦から3連勝して世界一を逃した例はないが、野球は何が起こるか分からない。1球、ワンプレーで流れが変わることもある。地区優勝、地区シリーズ、リーグ優勝決定シリーズは全て本拠地ドジャー・スタジアムで決めているが、世界一まであと1勝。勝つことがファンへの最大の恩返しだ。
左肩亜脱臼の影響で万全ではない大谷だがスイングは第3戦より鋭かった。このポストシーズンで大谷が打点を記録した試合は6戦全勝。自らのバットで打点を叩き出し、第5戦で悲願の世界一を手にする。