みんなでつくる党(旧政治家女子48党)の代表権争いの控訴審で、東京高裁(金子修裁判長)は30日、大津綾香氏に代表者登記の変更を求めた斉藤健一郎氏の訴えを棄却した。斉藤氏は上告する方針を固めた。
昨年3月に起きたお家騒動は法廷に場を移した。一審では大津氏の辞任発言の有効性が問われ、裁判所は「書面の作成もなく、無条件で代表者を辞任する意思表示をしたと認めることはできない」「党規約には党首の解任手続きの規定がない」などと斉藤氏の訴えを棄却していた。
控訴審で斉藤氏は昨年4月に開かれた役員会での大津氏の代表解任の決定及び同年5月の党総会で党員による投票で、自身が代表に選出された結果の有効性などを挙げ、「政党の内部的自律権に基づく判断で、解任するという判断が尊重されなければいけない」と訴えれば、大津氏は「解任決議は党規則に則らずに行われた『役員会』なる会合でなされたもの。総会は党首が招集したものではない」と主張していた。
高裁はこの日の判決で、役員会の決議について「党規約に照らせば、代表者を有効に解任することはできないと解されるもの」と採用せず、党総会の投票結果についても「総会の招集は『政治家女子48党』名義で行われており、招集した者は判然とせず、党員に対し、被控訴人(大津氏)の解任について議決権行使の機会が実質的に与えられたとはいえない。解任は重大な影響を及ぼす事項で、適切な手続きが履践されていたものと評価することができない」などとして、斉藤氏の主張を退け、控訴を棄却した。
大津氏は高裁判決後、Xに「やっと動きやすくなります」とポストしたが、斉藤氏が上告することで代表権争いの決着は来年に持ち越しとなる公算だ。