柔道男子100キロ級で2021年東京五輪金メダルのウルフ・アロン(28=パーク24)が30日、都内の講道館でウクライナの柔道家に得意技を伝授した。
この日は約1時間半、同国のジュニア選手を中心とした男女計29人に、得意の大内刈りや内股を実演しながら教えた。イベント終了後に「初めて海外の選手に技を指導した。日本の選手に教える時は日本語で伝えることができるけど、海外の選手の時はジェスチャーとかある程度(英)単語を使っていくことが大事だと感じた。最初はどうやって伝えればいいんだろうと思っていたけど、やるにつれて感覚とか、実際に組んでみて動きで伝えることができた。僕自身にとっても大きな勉強になった」と充実した表情を浮かべた。
現在もロシアからの軍事侵攻の影響で、ウクライナの選手たちは自国で十分な練習環境が確保できていない。ウルフは「今僕たちが柔道をこうやってやれていることは、当たり前ではないと改めて感じた。(自分に)何かできることがあればという気持ちの中で、こういった活動だった。(ウクライナの柔道選手には)自分のやりたいように取り組んでいってほしいけど、やりたいようにやれるような環境ではない部分もある。そこがすごくもどかしい」と複雑な表情を浮かべた。